【香港】立法会選延期の可否検討、感染拡大で=政府[政治](2020/07/30)
香港政府は9月6日に予定する立法会(議会)議員選挙を延期するかどうかの検討に入ったもようだ。新型コロナウイルス「第3波」の拡大が続き、選挙運動や投票・開票作業などに影響が出かねないためだ。ただ仮に延期する場合、すでに締め切り間際となっている立候補の扱いや、新議員の任期を含めた法律問題、社会的影響などを詰める必要があり、政府内ではまだ結論に至っていないという。
28日付サウスチャイナ・モーニングポスト(電子版)や明報(同)などによると、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は同日、行政会議(行政長官の諮問機関)のメンバーを集めて会議を開き、立法会選の延期について話し合った。
同選挙については、民主建港協進聯盟(民建聯)などの親中派政党が1年程度の先送りを求めている。しかし、この日の会議で結論は出ず、立候補受け付けが締め切られる31日以降に改めて行政会議を招集して協議することになった。
両紙によると、林鄭氏はその時点でも感染状況が依然深刻であれば、選挙延期を決める意向だが、いつまで延期するかは不明だ。同日の会議には政党に所属している行政会議のメンバーは呼ばれていなかったという。
仮に選挙を延期する場合、香港政府は中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の了承を得ると見られるが、同委員会の香港選出委員である譚耀宗氏は明報に対し「まだ情報を聞いていない」と語った。
一方、29日付星島日報は、林鄭氏が28日の行政会議で、立法会選の1年延期を決めたと伝えた。行政長官らが「緊急事態」と判断した場合、立法会の審議を経ずに必要な法令を定めることができる「緊急状況規則条例(緊急法)」を発動し、延期を決めるという。これに伴い、現職の立法会議員の任期を1年延長する方向だとしている。