【ミャンマー】スー・チー氏、選挙念頭に離島慰問や式典へ[政治](2020/08/11)
ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相は6~7日、最大都市を抱えるヤンゴン管区で学校の視察や病院の慰問を行ったり、低所得者向け住宅事業の記念式典などに参加したりと、総選挙を念頭に置いたとみられる精力的な活動を展開した。国営紙グローバル・ニュー・ライト・オブ・ミャンマー(電子版)などが伝えた。
スー・チー氏は6日、ヤンゴン管区に位置する離島であるココ島郡区を訪問。現地の当局関係者らとの会合で総選挙での投票の重要性を訴えたほか、「ココ島のような小規模地区が発展して初めて、国家の発展が実現する」との考えを示した。
郡区の一般行政局(GAD)の職員と、学校の再開や校舎の改修、コメの配給、電力供給、人口など郡区の開発について協議。教育の重要性を強調した上で、校舎の改修には早急に着手すると述べた。
2021年1月に稼働予定の太陽光発電所については、住民が24時間電力を利用できるようになり、街灯が設置されることは望ましいと語った。ココ島は全国送電網(ナショナル・グリッド)に接続されていない。現在はディーゼル発電機を使い、午後6時~午前0時までの1日6時間、電力が供給されている。
スー・チー氏はその後、僧院や学校、病院も訪問。同氏が島を訪問した直後の9日には、運輸・通信省が8月末をめどにココ島とヤンゴンを結ぶフェリーの増便を目指すことを決めた。
ヤンゴン南沖のインド洋に浮かぶココ島は、ミャンマーにとって安全保障上の重要拠点。人口は1,360人で、交通手段は船のみ。2015年の総選挙では、軍系野党である連邦団結発展党(USDP)が全議席を獲得した。
翌7日には、ヤンゴンの南ダゴン郡区で開かれた低所得者向け賃貸住宅事業の式典に参加。「衣食住の確保は人間にとって不可欠である。低所得者向けに賃貸住宅を提供できることに満足している」と話した。
同事業は、政府がヤンゴンと第2の都市マンダレー、首都ネピドーの3カ所で低所得者向け住宅1万戸を建設する事業の一環。ヤンゴンに6,300戸、マンダレーに3,000戸、ネピドーに700戸を建設する計画だ。