【香港】アリペイ運営会社、香港・上海同時上場へ[金融](2020/07/22)

中国の電子商取引(EC)最大手、阿里巴巴集団(アリババグループ)傘下で電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を運営するバ蟻集団(バ=むしへんに馬、アントグループ)は20日、香港と上海で新規株式公開(IPO)を実施する計画を発表した。同社の資金調達額は両市場の合計で最大200億~300億米ドル(約2兆1,500億~3兆2,200億円)に上る見通し。上場時の市況次第では昨年12月にサウジアラビア市場に上場した石油大手サウジアラムコの約256億米ドルを抜き、史上最大になる可能性が指摘されている。

アントは、香港取引所(HKEX)メインボード(東証1部に相当)と、上海証券取引所のハイテク・イノベーション企業向け市場「科創板(スター・マーケット)」に重複上場を目指すと表明した。両市場に同時上場する企業は初めて。

上場時期は未定だが、科創板では申請から上場までの期間が2~3カ月に短縮されており、早ければ今年秋にも上場する可能性がある。

21日付香港経済日報が外電情報として伝えた内容によると、アントは香港での上場幹事業務を中国本土の投資銀行、中国国際金融(中金公司、CICC)、米金融大手のシティバンク、モルガン・スタンレー、JPモルガン・チェースの各社に委託。香港では100億米ドル前後の資金調達を計画している。

アントの井賢棟董事長は20日、社員宛てに電子メールを送り「上場は我々の最終目標ではない。技術革新を通じて顧客と社会のイノベーションに貢献し、未来の問題を解決するという使命をより洗練された形で果たしていく出発点だ」とのメッセージを発表した。

同紙などによると、アントはアリババが33%の株式を保有しているほか、アリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が8.8%を出資している。アリババグループ最大の稼ぎ頭で、上場企業の時価総額に相当する企業価値は少なくとも2,000億米ドルに達するという。

香港、上海の両株式市場上場と同時に、時価総額の10~15%程度の新株を発行する見通しだ。

■利用者は全世界に13億人

アリペイは全世界で約13億人の利用者を抱え、2019年の本土の電子決済市場でのシェアは54%と、ライバルのネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)のグループ会社が運営する「微信支付(ウィーチャットペイ)」を引き離した。

アントはアリペイのほか、個人信用評価システム「芝麻信用」などを活用した与信などの金融業務にも事業の幅を広げている。香港では地場大手複合企業の長江和記実業(CKハチソン・ホールディングス、長和)との合弁会社、「支付宝HK(アリペイHK)」を展開している。

アントの親会社であるアリババはニューヨーク証券取引所に続き、19年11月に香港に「回帰」上場を果たした。アントの上場については早い段階から準備を進めていたとみられている。今年6月には登記上の社名を浙江バ蟻小微金融服務集団からバ蟻科技集団に改めた。

■滴滴は年内に香港上場か

20日付本土日刊紙、科創板日報は、中国配車アプリ最大手、滴滴出行(ディディ)が年内に香港でIPOを実施する計画だと伝えた。すでに投資銀行と協議を進めているという。

滴滴は本土を代表するユニコーン(企業価値が10億米ドル以上の未上場新興企業)の一つで、企業価値は6,000億HKドル(約8兆3,000億円)を超えるとの評価もある。上場が実現すれば、アントを超える大型上場になる可能性もある。同社は報道に対してコメントしていない。

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