【中国】市場食品のコロナ検査、5万点すべて陰性[食品](2020/07/06)
中国国家衛生健康委員会食品局の張志強副局長は3日、北京市の食品卸売市場「北京新発地農産品卸売市場」(新発地市場)で新型コロナウイルスの集団感染(クラスター)が発生して以降、今月2日までの間に浙江省、雲南省、河南省などで食品市場で売られている食品5万点以上を対象にコロナウイルス検査を実施し、結果はいずれも陰性だったと明らかにした。
国務院(中央政府)が同日開いた新型コロナ関連の説明会見で明らかにした。新発地市場では、同市場の張玉璽董事長が集団感染の発生直後にサーモン加工用のまな板からウイルスが検出されたと説明。これにより海外から輸入される水産品などへの警戒が全国で高まった。
張副局長は会見で、新発地市場では食品や施設から新型コロナウイルスが検出されたとした上で、その後は各地に食品の安全確認を指示し、リスク管理を強化していると述べている。
新発地市場以外の市場では食品から新型コロナウイルスは検出されていないが、消費者の不安が高まったことで輸入海産物の販売に影響が及んでいる。会見に同席した商務省市場システム建設局の胡剣萍副局長は、特に冷凍水産品の消費が多い北方地区で影響が大きいとし、関連企業には税制や社会保険、店舗賃料などで支援策を打ち出していると説明した。
胡氏によると、中国で農産品や肉類、水産品を扱う市場は4万4,000カ所あり、このうち卸売市場は4,100カ所。卸売市場の2019年における売上高は5兆7,000億元(約86兆6,900億円)に上っており、農産品や水産品の重要な流通経路となっている。一方で胡氏は、一部の市場は換気や清掃面で問題があると指摘。今後は衛生管理を強化していく方針を示した。