【シンガポール】長瀬産業、東南アジア初の食品素材ラボ開設[食品](2020/07/13)
化学品商社の長瀬産業(東京都中央区)は10日、シンガポールに食品素材ラボ「リージョナル・イノベーション・センター」を開設した。食品素材事業のグローバル展開を加速するのが狙いだ。同様の施設を設置するのは東南アジアでは初めて。海外では中国に続く2カ所目となる。
現地の販売子会社ナガセ・シンガポールが、西部サイエンス・パークの産業団地「The Aries」の1階に開設した。従業員数は3人で、面積は331平方メートル。投資額や売り上げ目標は公開していない。
製造子会社の林原(岡山市)と共同で運営する。林原が日本国内で展開しているアプリケーション開発ラボ「エルプラザ」の海外版となる。2019年8月には中国・厦門にも同様の施設を開所していた。
シンガポールのセンターでは、食文化や味付けの嗜好(しこう)によって異なるニーズをふまえたレシピの提案、アプリケーションの開発、セミナー開催などを手掛ける。主なターゲットは東南アジア諸国連合(ASEAN)、オセアニア、中東地域のパン、菓子、飲料、乳製品、加工食品、麺などのメーカーという。
長瀬産業は、中東・ASEAN地域の食品事業の中核機能をシンガポールに置いている。東南アジア各国にアクセスしやすいため、シンガポールでのセンター開設を決めた。
長瀬産業の小嶋宏一郎フード イングリディエンツ事業部長はNNAに対し、「食品や食品用素材は地域ごとに特徴がある。地元顧客の要望に即した提案をするためには、このような施設を展開する必要がある」とセンター開設の意義を語った。
今後の海外展開については、「短期的にはスポーツニュートリション(運動をする人向けの食品全般)などの分野に注力し、シェア拡大を目指す」と説明。成長を見込む中南米、中国、東南アジアで事業を拡大する方針を示した。