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【ミャンマー】キリン、ミャンマー合弁の持分所有見直しも[食品](2020/06/08)

キリンホールディングス(HD)は5日、ミャンマーにある合弁会社のミャンマー・ブルワリー(MBL)など2社の持分所有の見直しを検討すると発表した。合弁相手である国軍系複合企業のミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)が、イスラム教徒少数民族ロヒンギャの迫害との関係が取り沙汰される国軍の資金源になっているとの疑惑の深まりを受け、MEHLとの関係を再検討する。

国連人権理事会(UNHRC)のロヒンギャ迫害問題調査団は2019年8月に発表した報告書で、国際社会に対し、国軍系企業のMEHLなどとの関係を断つよう促した。報告書が名指しした国軍系企業との合弁会社リストには、キリンHDが出資するMBLとマンダレー・ブルワリー(MDL)が含まれた。

キリンHDは2月、ミャンマー事業について「戦略的な検証」を行うと発表。MBLとMDLの合弁パートナーであるMEHLの経営陣に対して、UNHRCの報告書で指摘されている課題について、財務やガバナンス体制の詳細を開示するよう求めた。

キリンHDによれば、MEHLに適切な文書の提供を繰り返し求めたが、現時点で十分な情報の提供を受けていない。このためMEHLの財務やガバナンス体制に関する独立調査を目的に、デロイト・トーマツ・ファイナンシャル・アドバイザリーを起用。MBLとMDLからの資金の使途を探ることにした。また、MEHLとの事業上の関係の検証の一環として、「合弁事業の持分所有について複数の選択肢を併せて検討」する。

キリンHDの広報によると、デロイト・トーマツの調査や、MEHLとの関係の検証は、新型コロナウイルスの世界的拡大により、終了時期が見通せないことから、進展のあった時点で公表する方針だ。

キリンHDは15年にMBLを子会社化し、現在の出資比率は51%。MBLは国内ビール市場でシェア8割を握る。MDLは第2の都市マンダレーを基盤とし、キリンHDは17年に株式の51%を取得した。

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