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【タイ】飲食店や市場が営業を再開[社会](2020/05/05)

タイで新型コロナウイルスの感染拡大防止のために一時閉鎖されている店舗のうち、飲食店や市場、理髪店・美容室などの営業が3日、再開した。政府は3月26日に非常事態宣言を発令し、一部を除いて店舗や公園などの施設を全国で閉鎖してきた。しかし、新たな感染者が減少しているため、段階的に制限を緩和する考えで、14日ごとに追加で営業再開を認める店舗を検討する方針だ。

店内飲食を再開した飲食店は感染防止策としてテーブル1卓につき座席を1席とするなどの対応を取っている=3日、タイ・バンコク(NNA撮影)

店内飲食を再開した飲食店は感染防止策としてテーブル1卓につき座席を1席とするなどの対応を取っている=3日、タイ・バンコク(NNA撮影)

タイ政府が5月1日付で官報に告示した決定事項によると、3日から店舗の営業や施設の運営再開が認められたのは、◇飲食店(酒類の提供禁止、商業施設内では持ち帰りのみ)◇市場・小売店◇理髪店・美容室(カット、シャンプー、ブローのみ)◇病院・クリニック・歯科医院◇ゴルフ場・練習場◇屋外の運動場(人との距離が保てる種目に限定)◇公園◇ペットサロン・ペットホテル――。

商業施設では、薬局やスーパーマーケット、スマートフォンなどの電子機器の販売店、銀行、持ち帰り用の飲食店の営業が認められているが、それ以外の店舗は引き続き閉鎖対象となっている。

首都バンコクでは4月10日から禁止となっていた酒類の販売も3日に再開された。酒類の販売制限は各県で異なり、バンコク西郊ナコンパトム県や東部ラヨーン県は15日まで、バンコク北郊パトゥムタニ県や北部ピサヌローク県、東部チャンタブリ県などでは31日まで禁止されている。

営業の再開が認められた飲食店は、座席間で一定の距離を保つなどの対策を講じるよう命じられている。バンコクのタイ料理店では、向かい合って座らないよう1卓のテーブルに座席を1席としたり、テーブルの上に透明のプラスチック製のついたてを置いたりして、営業をしていた。ただ3日の段階では、店内に座席を設けず、引き続き持ち帰り専門で営業する飲食店もあった。

また理髪店ではバンコク首都庁(BMA)が定めた営業再開の条件の通り、従業員がマスクとフェースガード、手袋を着用。ビニールの防護具を着用させている店もあった。

バンコクの公園では複数ある入り口が1カ所に限定され、入り口で検温が行われていた。公園内の遊具や健康器具は、BMAの決定通り閉鎖されていた。

【左】営業開始の時期を見送る屋台もある【右】閉鎖が続く商業施設の飲食店は持ち帰り用専用で営業しており、注文を待つ宅配用のバイクが並ぶ=3日、タイ・バンコク(NNA撮影)

【左】営業開始の時期を見送る屋台もある【右】閉鎖が続く商業施設の飲食店は持ち帰り用専用で営業しており、注文を待つ宅配用のバイクが並ぶ=3日、タイ・バンコク(NNA撮影)

■娯楽施設や学校は閉鎖継続

また、感染の危険性が高い施設として、◇バー・パブ◇映画館やボーリング場などの娯楽施設◇ショッピングモール◇ジム◇プール◇マッサージ店◇子どもの遊技場◇イベント会場・会議場・商品展示場◇博物館――などについて、政府は次の緩和策が発表されるまで閉鎖するよう各県知事に指示。

これを受けて、BMAのアサウィン知事は3日、5月31日まで映画館などの娯楽施設やショッピングモール、マッサージ店など政府が閉鎖指示した施設を全面的に含んだ34施設の閉鎖継続を発表した。

ウォーキングやジョギングなど個人のリクリエーションに限定して再開が認められた公園では、入り口で検温をしている=3日、タイ・バンコク(NNA撮影)

ウォーキングやジョギングなど個人のリクリエーションに限定して再開が認められた公園では、入り口で検温をしている=3日、タイ・バンコク(NNA撮影)

5月末まで発令期間が延長された非常事態宣言では、◇外国人の原則入国禁止◇午後10時から翌午前4時までの夜間外出禁止令◇学校や教育施設の閉鎖◇会議やセミナー、食事会など人が集まるイベント開催の禁止◇県境をまたぐ移動の自粛――が継続されている。銀行やガソリンスタンド、工場などの営業はもともと禁止されていない。

一方、今後の緩和策について、新型コロナウイルス感染症対策センター(CCSA)は4月30日、14日ごとに対策を見直して、さらなる緩和の是非を検討すると説明した。

タイ保健省によると、タイの新型コロナ感染者の累計は、4日時点で2,987人。新規感染者は3日まで7日連続で1桁台で推移していた。4日は南部ソンクラー県の外国人収容施設での集団感染により18人の感染が確認された。

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