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【シンガポール】コロナ無症状者、専用隔離施設に移送へ[社会](2020/04/29)

シンガポール政府は28日夜、新型コロナウイルス感染症患者の収容戦略を変更すると発表した。感染判明から14日間、特に症状がなかった人または軽かった人を対象に、医療従事者を配置しない専用の隔離施設に移送する。国全体で医療リソースを最適化するのが狙いだ。元看護師を呼び戻すなど、人員も拡充する。

新たにコミュニティーリカバリー施設(CRF)を設ける。28日時点で、シンガポール軍の複数の基地内に2,000床余りを用意。6月末までに1万床以上に増強する計画だ。

感染が判明した人は、引き続き症状の程度に応じて病院またはコミュニティーケア施設(CCF)に収容する。CCFには医療従事者を配置し、症状が悪化した感染者は病院に送る。これらの施設で良好な状態が14日間継続した感染者については、CRFに移送し、完全な回復を待たせることにする。

CCFとしては現在、東部パシルリスのリゾート、展示会場シンガポール・エクスポ、同チャンギ・エキシビション・センターの3カ所を指定している。約1万人を収容できるが、6月末までに2倍の2万床までキャパシティーを増やす。

CRFの設置、CCFの収容能力拡充を通じて、病院や集中治療室(ICU)での医療行為により多くのリソースを割くのが狙いだ。

保健省のケネス・マック・ディレクター(医療サービス担当)は会見で、「さまざまな科学的研究やわれわれの経験から、新型コロナ感染者の多くは最初の2週間が重要な局面であることが明らかになった」と説明。感染後14日間、無症状または軽い症状だった人の大半が、その後も順調に回復して特に医療行為を必要としないと付け加えた。

政府はまた、具体的な数字は示していないものの、病院のICUの増床、人工呼吸器など設備の拡充も同時並行で進めている。

元看護師などを医療現場に呼び戻すほか、歯科医など専門外の人員も巻き込み、医療現場や各施設で業務に従事する人も増やしている。こうした人員が約3,000人に上るという。施設で補助業務に従事する人員など、今後は非医療従事者などの協力も募る方針だ。

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