【ミャンマー】デモ発生の工場に閉鎖命令も、ヤンゴン[経済](2020/04/20)
ミャンマー最大都市を管轄するヤンゴン管区政府は18日、ティンジャン(ミャンマー正月)休暇が明ける20日以降、労働者によるデモ行為が発生した工場に閉鎖命令を出すと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるため、労働者の権利侵害にも抵触する強い措置に乗り出す姿勢だ。
ヤンゴンではティンジャン休暇前に、縫製業などの工場が、中国からの原材料の調達難で一時休業や閉鎖に追い込まれ、休業手当や有給休暇を求める労働者のデモが相次いだ。
管区政府の声明によると、労働者団体の一部は休暇後のデモ活動再開を計画しており、実施にこぎ着ける前にくぎを刺した格好だ。労働者に対して、「今は権利を主張する時ではなく、政府の指示に従い、新型コロナウイルス感染症を防ぎ、生き抜く時だ」と理解を求めた。労組側は現時点で公式コメントを出していない。
ミャンマーでは、連邦政府からも4月3日、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的に、労働者によるデモの禁止が通達された。新たな通達により、ヤンゴン管区では、雇用者側も工場の操業停止につながるデモが起きないよう、労働者側と交渉を行う必要性が出てきた。
ミャンマー大統領府は3月、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、集会やイベントの実施を禁止。4月17日からは、勤務、食料品の売買などを除き、5人以上で集まることも禁じている。
労働者のデモも禁止行為に当たり、守らない場合は、感染症防止・管理法に基づく罰金や禁錮刑を科す。
ヤンゴン管区政府によると、同管区内で操業する工場は約6,600カ所に上る。