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【マレーシア】日通、海外最大の倉庫が完成[運輸](2020/03/10)

日本通運は9日、スランゴール州シャアラムの新倉庫が完成し、同日に営業を開始したと発表した。同社グループが海外で展開する自社倉庫の中で、1棟の倉庫面積では最大となる。

新倉庫「シャアラムロジスティクスセンター」の延べ床面積は6万3,421平方メートルで、倉庫面積は4万9,879平方メートル。投資額は非公表。

首都クアラルンプールと主要港であるスランゴール州クラン港、クアラルンプール国際空港(KLIA)に近い地の利を生かし、顧客企業がベンダーに在庫管理を委託する「納入業者在庫管理方式(VMI)」やジャスト・イン・タイム納品などさまざまな物流ニーズに対応する。マレーシアは国民所得の上昇から個人消費の伸びが著しく、消費財の流通増加により高度な国内物流・倉庫需要が見込めるため、2018年から新倉庫を建設していた。

新倉庫は、貨物にかかる関税を一時的に留保した状態で保管できる保税倉庫の機能を持ち、マレーシアに住所を有しない企業による非居住者在庫にも対応している。日通の広報担当者は、マレーシア国内だけでなく「東南アジア域内やインド、中東への物流ハブとしても活用が期待できる」と話した。

■ハラル認証も取得へ

マレーシア日通は、14年に日系物流会社として初めて、マレーシア・イスラム開発局(JAKIM)から物流に関するハラル(イスラム教の戒律で許されたもの)認証を取得し、ハラル物流に力を入れている。17年には、スランゴール州クランの倉庫にJAKIMのハラル認証を取得した。

シャアラムの新倉庫にも同認証の取得を予定しており、敷地内には、トラックや貨物用コンテナの「宗教洗浄(イスラム教の戒律に従った洗浄方法)」ができるエリアを備えている。倉庫内の保管エリアを区切ることで、非ハラル製品の保管も可能とするという。

また、日通は23年までの中期経営計画で、医薬品物流のネットワーク強化を掲げていることから、新倉庫は医薬品の適正な流通基準(GDP)の認証も取得する予定だ。

マレーシア日通は、同国内に24カ所の拠点を構えている。

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