【香港】水上レストランのジャンボ、営業停止に[サービス](2020/03/04)
香港島南部の香港仔(アバディーン)にある水上レストラン「珍宝海鮮舫(ジャンボ・フローティング・レストラン)」は、公式サイトで3日からの一時営業停止を発表した。再開時期や従業員の処遇については改めて通知するとしている。
3日付明報によると、ジャンボを運営するマカオカジノ大手の新濠国際発展(メルコ・インターナショナル)は営業停止の理由について、新型コロナウイルスの感染拡大の影響だと説明。「随時最新状況を公表する」としている。
同紙関係者が2日に同レストランを訪れたところ、無料送迎船は運航を停止しており、レストランの明かりも消えていた。周辺には大勢の市民が名残を惜しんで記念撮影に来ていたという。
飲食業界団体、香港餐飲聯業協会(HKFORT)の黄家和(サイモン・ウォン)会長は、ここ10年のジャンボの来店客は8割が中国本土客で、政府などへの抗議活動や新型コロナウイルスの影響で、直近8カ月の売上高は通常時から9割近く落ち込んでいたと明かした。
3日付香港経済日報によると、親中派労働団体の香港工会聯合会(工聯会=HKFTU)に加盟する飲食業界労組、飲食業職工総会の郭宏興会長は、ジャンボの従業員約60人が影響を受けると指摘し、待遇面について適切に対応するようくぎを刺した。
ジャンボのウェブサイトによると、開業は1976年で3フロアに2,300人を収容できる。中華宮殿風の外観から英国のエリザベス女王など著名人が訪れ、周星馳(チャウ・シンチー)監督の「食神」など数々の映画の舞台にもなった。2002年からメルコの傘下に入っていた。