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【カンボジア】英の関税優遇措置、継続に向け協議へ[経済](2020/02/05)

カンボジア政府は、欧州連合(EU)離脱後の英国と、カンボジアに対する関税優遇措置の適用継続に向けた協議を進める方針だ。EUはカンボジアへの関税優遇措置の停止を検討しており、今月に正式決定が発表される見通し。クメール・タイムズ(電子版)が4日伝えた。

カンボジア王立アカデミーのディレクター、キー・セレユット氏によると、英国はEU離脱後も、今年12月までの移行期間中はEUの決定に従う必要がある。ただし、来年には独自の貿易策を導入するとみられ、同氏は「フン・セン首相が4~5日の日程で訪問する韓国で、英国と自由貿易協定(FTA)について協議を行うのではないか。FTAが成立すれば、縫製品やかばん、履物、食品などの輸出拡大に弾みがつく」と期待を示した。

英国のヘザー・ウィーラー外務・英連邦省政務次官は昨年9月、プラク・ソコン外相に対し、EU離脱後はカンボジアに後発開発途上国(LDC)向けの関税優遇措置を適用する意向を示している。フン・セン首相も同12月、「英国はEUの中の最大市場であり、EU離脱後もカンボジアへの優遇措置を継続する」と述べた。

EUは、民主主義の後退や政府による国民への人権侵害などを理由に、カンボジアに適用している、武器以外の全品目を数量制限なしに無関税でEUに輸出できる「EBA協定」の見直しを進めている。優遇措置が停止されれば、カンボジアの主要産業である縫製業に大きな影響が出るとみられている。

カンボジアの対英輸出は縫製品や履物、自転車などを中心に、2012年の5億米ドル(約543億円)から18年には10億米ドル以上に拡大した。

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