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【香港】入管、空港など3施設に限定[社会](2020/02/04)

香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は3日の緊急記者会見で、中国本土の広東省深セン市と隣接する羅湖などの出入境検問所計4カ所を、4日午前0時から一時閉鎖すると発表した。本土との人の往来を減らして新型肺炎の拡大を阻止するのが狙いで、今後は出入境を香港国際空港(チェクラプコク空港)、香港と本土を結ぶ海上橋「港珠澳大橋」、深セン西部の深セン湾の3検問所に限定して検疫を強化する。地元メディアが伝えた。

緊急記者会見で出入境検問所の閉鎖について説明する林鄭行政長官=3日午後5時40分、金鐘(NNA撮影)

緊急記者会見で出入境検問所の閉鎖について説明する林鄭行政長官=3日午後5時40分、金鐘(NNA撮影)

香港と本土をつなぐ検問所については、公立病院の労働組合などが全面封鎖を求めて3日から2千数百人規模でのストライキに踏み切った。また、同日夜に医院管理局(病院管理局=HA)との交渉が決裂したため、予定通り4日から「第2段階」となる全面ストを実施すると表明した。林鄭氏らの記者会見後、同局幹部も同席する公開対話を緊急で行なったが、進展がないと判断した。

林鄭氏は3日夕、政府食品・衛生局の陳肇始(ソフィア・チャン)局長ら高官と記者会見に臨み、「羅湖、落馬洲、皇崗、香港とマカオ間を結ぶ埠頭(ふとう)の検問所を一時閉鎖する」と表明した。

香港には全13カ所の検問所があるが、このうち10カ所の業務を既に停止し、「(本土からの入境が減るという)はっきりとした効果を上げている」と述べ、「必要があれば、検疫対象の拡大など一段の措置を講じることも躊躇(ちゅうちょ)しない」と政府の努力に理解を求めた。

会見では、現場に立つ医療関係者に敬意を表明し、マスクなどの二次感染防止のための物資の確保に尽力していく考えを示した。ただ、今回の措置が医療界の一部労組によるストと関係があるかどうかについては「全く無関係で、政府を脅しても成功しない」とけん制した。

■「誠意感じられぬ」、全面ストなら9千人参加か

公立病院を管轄する医院管理局の労働組合、医管局員工陣線(組合員約1万8,000人)は、行政長官らによる会見後に記者会見を開き、「政府の対応には誠意が感じられない」と失望感を示した。

陣線は同日午前から「第1段階」のストに踏み切った。余慧明代表によると、参加したのは約2,500人で、一部の病院では緊急性の低い診療などを別の日に繰り延べるなどの対応に追われた。陣線は同日のストを第1段階と位置づけており、午後6時までに政府から回答がなかった場合、全面ストを決行すると表明していた。第2段階のストには少なくとも9,000人が参加する見通しを示している。

余氏は会見で「政府の発表には誠意がまったく感じられなかった」と批判。「政府に一段の閉鎖を迫っていく」と決意を強調したが、ストなどの行動をさらにエスカレートさせるかどうかは断言せず、医院管理局上層部との交渉を通じて二次感染などに対する組合員の危機感を訴え、政府への圧力を強めていく考えを示した。

感染抑止策として、全ての非香港居住者の本土経由の入境を禁止し、香港居住者も本土入境後は強制隔離することを求める基本姿勢を改めて強調した。

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