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【インドネシア】中国武漢市にチャーター便派遣、238人退避[社会](2020/02/03)

武漢市からの帰国者は2日、バタム島で乗り換えてナトゥナ県に輸送された(外務省提供)

武漢市からの帰国者は2日、バタム島で乗り換えてナトゥナ県に輸送された(外務省提供)

中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染拡大を受け、インドネシア政府はチャーター機を派遣し、武漢市とその周辺に住むインドネシア人を帰国させた。チャーター機は2日朝、帰国者238人(うち1人はインドネシア人を配偶者に持つ外国人)などを乗せてリアウ諸島州バタム島に到着。国軍輸送機に乗り換え、同州ナトゥナ県の大ナトゥナ島に輸送された。今後2週間、国軍の医療施設で経過観察のため隔離される予定。

世界保健機関(WHO)は1月30日夜(日本時間31日未明)、新型コロナウイルスによる肺炎について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。これを受けてジョコ・ウィドド大統領は31日夜、「24時間以内に救出対策チームを派遣する」とツイッターで発表した。

外務省や保健省、国軍などの対策チームを乗せたチャーター便は1日昼、首都ジャカルタ郊外のスカルノ・ハッタ国際空港を出発した。輸送機に使ったのは、格安航空会社(LCC)ライオンエア傘下のバティックエアが保有するエアバス330。運輸省によると、国営ガルーダ・インドネシア航空は武漢市を発着する便を運航していなかったため、乗り入れが許可されなかった。

ナトゥナ県に到着した238人に感染は報告されていない。国軍によるとナトゥナ県の国軍医療施設は、空軍基地から近く、十分な収容能力があり、住宅地から約5キロメートル離れていることから隔離先に決定した。地元各メディアによると、同地では1日朝以降、受け入れに反対する一部の住民が抗議活動を行っている。ナトゥナ県副知事も1日、「ナトゥナの医療施設は非常に限られている。もし市民に何かあった場合、誰が責任を取るのか」と懸念を示していた。

政府によると、当初は245人を帰国させる予定だった。チャーター便で帰国しなかった7人のうち4人は帰国を希望しなかった。残りの3人は検査の結果、中国政府の基準を満たさなかったために帰国が許されなかったという。ジョコ大統領は、チャーター便の派遣は1便のみと説明していた。

インドネシアでは2日夕方時点で新型コロナウイルスの感染者は確認されていない。

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