【香港】一国二制度、47年以降も不変=行政長官[政治](2020/01/17)
香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は16日、香港に高度の自治を保障した「一国二制度」について、中国返還から50年を迎える2047年以降も変わることはないとの認識を示した。立法会(議会)の質疑で答弁した。官営メディアのRTHKが伝えた。
質問したのは最大の親中派政党、民主建港協進聯盟(民建聯)の蒋麗芸(アン・チアン)議員。蒋氏は19年以来続く政府への抗議活動などを受けて「若者たちは香港には民主や自由がないと誤解し、47年以降は『(中国本土と同じ政治・経済などの社会システムである)一国一制度』になると心配している」と指摘、林鄭氏に政府トップとしての認識をただした。
これに対し、林鄭氏は「一国二制度の方針を堅持し、趣旨を十分理解し、徹底していけば、それが遠い将来も続き、47年以降も変わることはないと信じる理由がある」と述べた。同時に、林鄭氏は「(中国中央政府の統治下にあるという)『一国』の根幹を守り、『二制度』の違いを尊重する必要がある」と強調。「この原則が揺らげば、若者自身が心配する状況が現実になりかねない」と付け加えた。
林鄭氏は一国二制度の将来について、答弁で「行穏致遠」との言葉を使った。これは17年の中国返還20周年記念式典で中国の習近平国家主席が香港の統治方針として使った表現で、「穏健に実行していけば、永遠に続いていく」との意味だ。