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【韓国】デュポンが投資、EUVレジスト生産へ[化学](2020/01/10)

産業通商資源省はデュポンの対韓投資が確定したと発表。中央は、成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源相=8日(現地時間)、米サンフランシスコ(同省提供)

産業通商資源省はデュポンの対韓投資が確定したと発表。中央は、成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源相=8日(現地時間)、米サンフランシスコ(同省提供)

米化学大手デュポンが、韓国でEUV(極端紫外線)向けフォトレジスト(感光剤)の開発・生産に乗り出すことが9日分かった。韓国産業通商資源省によると、同社は2,800万米ドル(約30億4,000万円)を投じ、2021年までに忠清南道牙山市に工場を建設する。既に大韓貿易投資振興公社(KOTRA)には投資計画を申告している。

フォトレジストは半導体の製造に不可欠な素材で、シリコンウエハー上に回路を形成する際に使用される。日本政府は19年7月、半導体の性能を飛躍的に高める次世代技術のEUV向けフォトレジストの輸出管理を厳格化。同年末までに、それまでの個別許可から最長3年間は1件ごとに許可を取る必要のない「特定包括許可」に切り替えたものの、韓国政府は安定調達のため外資誘致に力を入れてきた。EUV向けフォトレジストは、対韓輸出管理が厳格化された半導体材料3品目の中でも国産化が困難であるとされる。

業界関係者によると、デュポンは投資先として、韓国よりも需要が大きい台湾も検討したものの「韓国の方が伸びしろが大きい」と判断したという。

ただ、「デュポンは後発組であるため同社製品が日本製品を代替するのは簡単ではない」との見方もある。前出の業界関係者は「製品を開発して製造ラインに投入するまでにはテストを何度も積み重ねなければならない。韓国産業通商資源省の発表は、脱日本依存が進んでいることを国民にアピールするパフォーマンス的な側面もあるのではないか」とコメントした。

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