【香港】武漢で肺炎患者増、香港政府が対応発表[社会](2020/01/06)
中国湖北省武漢市で原因不明のウイルス性肺炎の発症者が増えている問題で、香港政府は4日、新型感染症への対策をまとめた計画を公布するとともに、警戒レベルを3段階の真ん中に当たる「厳重」に設定した。政府によると、昨年末から5日正午までの間に域内で、武漢を訪問し発熱などの症状がある患者15人を確認したという。
政府によると、武漢市当局は3日午前8時までの段階で、ウイルス性肺炎の発症者44人を確認。うち11人が重症だった。人から人への感染は確認されていない。
これを受け政府は同日から、香港国際空港(チェクラプコク空港)と、中国本土から高速鉄道が乗り入れる西九龍駅で旅行客の体温測定を強化するなどの水際対策を開始した。ただ、張建宗(マシュー・チョン)政務長官は4日の記者会見で、今のところ香港と武漢を結ぶ航空便や高速鉄道の便を減らす必要はないとの認識を示した。
政府食品・衛生局の陳肇始(ソフィア・チャン)局長は5日、本土の関係機関と連携し、情報収集を進める考えを示した。武漢市の海鮮市場の経営者が肺炎を発症していることから、本土を訪問する際は市場に行くのを避けるよう呼び掛けた。
香港の公立病院を管轄する医院管理局(病院管理局=HA)は4日正午から5日正午までの間に、過去2週間に武漢を訪れ、発熱や肺炎などの症状が出た患者7人を確認した。いずれも容体は安定しているという。2019年12月31日以降、7人を含めて同様の患者は15人に上る。
「厳重」の警戒レベルは、対象になる感染症が市民の健康に与える影響を「中程度」と政府が想定していることを意味している。政府は「引き続きリスクを精査しながら、警戒レベルを見直すとともに、適切な対応を取る」としている。