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【ベトナム】マツキヨ、20年3月にHCM市に1号店[商業](2019/12/17)

ドラッグストア大手のマツモトキヨシホールディングス(HD)は15日、ベトナム1号店を2020年3月末までにホーチミン市1区に開業することを明らかにした。まず「マツキヨ」ブランドの浸透を図り、ドラッグストア市場でのシェア首位を目指す。訪日客の購入情報を生かした店舗づくりを進めてホーチミン市場を固め、国内各地への展開につなげていく。

マツモトキヨシは1号店を開業後、3~5年かけて店舗網を10~15店まで拡大させる。特定地域に集中展開して経営効率とブランド認知を高める「ドミナント化」を図るため、まずはホーチミン市場に注力する。1号店の店舗面積や具体的な出店地はまだ明らかにしていない。

合弁契約の調印に臨んだマツモトキヨシの松本社長(前列左)とロータス・グループのメイ社長(同右)=16日、ホーチミン市

合弁契約の調印に臨んだマツモトキヨシの松本社長(前列左)とロータス・グループのメイ社長(同右)=16日、ホーチミン市

マツモトキヨシHDは16日、食品製造や外食業を手掛けるロータス・フード・グループと、ベトナム合弁会社設立の契約調印式をホーチミン市内で行った。マツモトキヨシの松本清雄社長はベトナム市場について、「所得水準も急速に上がっており消費市場としての成長余地は大きい」と述べ、タイ、台湾に続く海外3カ国・地域目となるベトナム事業に期待を示した。ロータス・グループのレ・バン・メイ社長は「訪日ベトナム人にとって、最も有名なドラッグストアと提携できた」と指摘し、グループにとって初めてとなる本格的な小売事業の展開に意欲を見せた。

ベトナムではまず「ドラッグストアといえばマツキヨ」と認識されることを目指すため、国内最大の商業都市ホーチミン市での展開強化を図る。合弁会社マツモトキヨシベトナムの宮岡弘樹・最高経営責任者(CEO)によると、マツモトキヨシは日本でも都市部での出店を得意としているため、集客や物流でも知見を生かせるとみている。将来的にはハノイ、中部ダナン市など他都市への展開も視野にあるが、「まだ具体的な計画はない」と述べた。

マツモトキヨシのベトナム事業戦略として、◇顧客分析力◇日本トレンドの正確な発信力◇プライベートブランド(PB)商品――の3つを宮岡社長は挙げた。ポイントカードやスマートフォンアプリなどを通じて顧客の好みや消費性向をつかみながら、日本市場での人気商品をベトナム市場にも素早く導入していく。1,500SKU(品目)を超えるマツキヨPB商品も積極的に投入する。

マツモトキヨシはすでに、訪日ベトナム人顧客の豊富な購入動向データを抱えている。他国からの訪日客に比べて化粧品よりも医薬品やサプリメントなど、健康に関わる商品の購入割合が高いなどの傾向が分かっており、店舗の品ぞろえに生かす。

マツモトキヨシベトナムの資本金は315億ドン(136万米ドル、約1億5,000万円)で、出資比率はマツモトキヨシが51%、ロータス・フード・グループが48.87%、メイ氏が0.13%になる。

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