【マレーシア】全教研がプログラミングの教育センター設立[社会](2019/12/13)
九州北部を中心に学習塾を運営する全教研(福岡市)はこのほど、マレーシア・スランゴール州のサイバージャヤでプログラミング教育に力を入れた学習施設「キッズテックセンター」を設立した。子どもたちを対象に、コンピューターやアプリの基盤となるプログラムに関して、論理的思考など素養を育む狙い。
キッズテックセンターは、全教研と、同社の関連会社、インフィニットマインド(福岡市)、地場エンジニアリング会社ドリームエッジの3社が共同運営する。ドリームエッジが本拠を構えるサイバージャヤのIT集積地にテナント入居の形で開設した。延べ床面積は約100平方メートルとなる。投資額は非公表。
全教研の広報担当者はNNAに対し、「パソコンを設置し、プログラミングを学ぶブースと、顔認証システムなどを体験できるブースの2部屋を用意した。2020年2月中旬に正式にオープンする」と話した。講師はドリームエッジから派遣し、教材の開発はインフィニットマインドが担う体制だ。
日本の学習塾のような位置付けで、学校が終わった後に週1回といった具合に定期的に通い、学んでもらうことを想定している。学習期間はコースによって3カ月~1年を目安に複数用意する考えだ。受講料については、「日本の学習塾の5分の1程度の水準になる」(広報担当者)見通し。
■講座の海外展開は5カ国
全教研は、自社開発したプログラミング学習講座「プログラミング道場」の海外展開に力を入れている。マレーシアでは2015年にドリームエッジと組んで、ワークショップを開いた。タイやベトナム、インド、中国でもプログラミング道場を実施している。
広報担当者は「日本では2020年度から小学校でプログラミング教育が必修になるが、東南アジアでも注目度が高い。マレーシアの教育センターを本拠として、シンガポールやインドネシアへの展開も視野に入れている」と語った。
12月初旬に実施した開所式には、マハティール首相が非公式に出席した。同首相は、理数系分野の人材育成を重視しており、教育センターが果たす役割に期待を寄せているという。