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【カンボジア】欧州の優遇措置継続、首相はEU要求を拒否[経済](2019/11/25)

カンボジアのフン・セン首相は21日、経済制裁の回避に向けた欧州連合(EU)の要求に応じないことを明らかにした。経済的利益のために国家の主権と法制度の維持を犠牲にすることはできないとの見解だ。クメール・タイムズ(電子版)が伝えた。

EUは今月中旬、武器以外の全品目を数量制限なしに無関税でEUに輸出できる「EBA協定」の維持に関して、カンボジア政府に対策を求める暫定的な報告書を作成。内容は明らかにしていないが、野党・カンボジア救国党の解党や報道の自由の侵害などに言及し、民主主義や適正な法運用を回復して、基本的人権と表現の自由を保証するよう要求したとされる。

EUの報道官は、報告書の内容を念頭に置いた上で、カンボジアの政情がEBA協定の継続を左右する懸念材料になっていると指摘。一方でフン・セン首相は、「EUはEBA協定を脅迫と服従の道具として使用している。経済的支援や貿易上の優遇措置と引き換えに、国家の主権を譲り渡すことはできない」と反論。「既にEBA協定失効に備えた準備はできている」とコメントした。

カンボジアにとってEUは輸出の4割を占める最大の市場だが、フン・セン首相は「貿易上の利点を失っても、査証(ビザ)発行手数料の徴収などを含む観光関連などさまざまな分野で税収増を図っているため、わが国の財政基盤が揺らぐことはない」としている。

欧州委員会は今年2月、人権侵害や野党弾圧を理由に、EBAの一時停止に向けた手続きに本格着手したと発表した。サル・ケン内相がEUと経済制裁の回避に向けた協議を続ける方針を示すなど、政府はEUとの友好関係を維持する姿勢もみせている。

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