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【香港】香港の住宅ローン、評価額割れが急増[金融](2019/11/04)

香港金融管理局(HKMA)が10月31日に発表した最新調査によると、住宅の評価額が住宅ローンの残高を下回る「ネガティブ・エクイティ(負の資産)」の状態に陥った案件は、今年6月末時点の1件から9月末に53件へと急増した。

ネガティブ・エクイティの状態にある住宅ローンの借り入れ額は9月末時点で3億3,000万HKドル(約45億5,000万円)で、6月末の300万HKドルから大幅に増えた。このうち無担保ローンは12万HKドルから700万HKドルに拡大している。

ネガティブ・エクイティは、銀行職員向けの住宅ローンが大部分を占め、香港政府系の住宅ローン債権証券化会社、ホンコン・モーゲージ・コーポレーション(HKMC、香港按掲証券)子会社が運営する住宅購入支援スキーム「按掲保険計画」の下で提供されたローンも少数含まれており、いずれも高借入比率ローンに集中した。

香港の銀行業では2011年第1四半期(1~3月)以降、ネガティブ・エクイティに陥った住宅ローンのうち、滞納期間が3カ月を超える案件の記録はない。

1日付香港文匯報によると、中原地産の陳永傑(ルイス・チャン)アジア太平洋部門副社長は、香港での抗議活動と米中貿易摩擦がもたらすネガティブインパクトが住宅価格の回復を阻んでいるとして、この2大要因が年内に解決しない限り、住宅価格の回復は見込めないと悲観的な見方を示した。

一方、利嘉閣地産(リカコープ)のリサーチ部門責任者、陳海潮(デレク・チャン)氏は、住宅ローン保険計画の緩和策が中古住宅取引を刺激していることや、低金利環境が続いていることを踏まえ、住宅価格は11月に下落幅を縮め、12月に小幅な回復もあり得るとの見方を示した。

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