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【ベトナム】関経連と越政府が対話会、法整備など要望[経済](2019/10/09)

関西経済連合会は8日、ベトナム・ハノイで、計画投資省外国投資局(FIA)を中心とした同国の政府機関と、投資環境や法律、税整備などに関する対話・交流会を開催した。今回で4回目の実施。ベトナムに進出する関西企業や関連団体の関係者ら約80人が参加した。

関経連(向かって右側)とベトナム政府機関による対話・交流会が行われ、法整備などについて意見を交換した。冒頭であいさつする関経連国際部・井上副委員長=8日、ハノイ

関経連(向かって右側)とベトナム政府機関による対話・交流会が行われ、法整備などについて意見を交換した。冒頭であいさつする関経連国際部・井上副委員長=8日、ハノイ

対話会第1部のテーマは「ベトナムにおける税制および法整備」。FIA企業登録局のグエン・ホン・バン氏が、外国企業の企業登録に関する問題をQ&A形式で解説した。関西企業2社が、それぞれ抱える課題を提起した。

ジルコニウム化合物大手、第一稀元素化学工業のベトナム子会社、ベトナム・レアエレメンツ・ケミカル(VREC)の児玉圭太社長は、新法律の施行に際し、背景や目的を明確に提示するよう要請した。例えば、労働法では、施行細則を定める政令5号(05/2015/ND―CP)の制定まで2年を要したことを挙げ、新法令とその詳細や要件を示す政令や通達発令までの時間にギャップがあると指摘。ルールがあいまいな期間、企業は準備に困ると訴えた上で、「背景や目的が事前に分かっていれば、企業側も対応しやすい」と説明した。

監査法人デロイト・ベトナムのジャパングループ公認会計士・城戸澄仁氏は、(1)輸出加工企業(EPC)の設立時の課題(2)15年以前の投資に関する裾野産業優遇税制の適用の可否(3)移転価格税制上および税務調査時の課題――について現状を説明し、解決を要望した。

提示した課題はいずれも、関係省庁の見解や指針にバラつきがあると指摘。また、解決までの時間を要するとみられる(2)の優遇税制の適用については、企業の節税目的は本国への還元ではなく「再投資の原資」と述べ、裾野産業の発展のためにも早期の事案解決を要請した。

これらの指摘に対し、FIAのドー・ニャット・ホアン長官らベトナム側が回答。いくつかの事案については、すでに首相府に提出済みとの説明がなされ、その他の課題については関係省庁や当局と協力して問題改善に向けて取り組んでいく姿勢を示した。

このほか、2部では「環境分野およびインフラ分野での協力」をテーマに、関西企業の代表者らがプレゼンし、意見を交換した。

同対話会は、ベトナムにおける関西企業の課題解決や事業拡大を目的に、直接意見交換を行う場として2016年からハノイまたはホーチミン市で開催している。冒頭であいさつした関西経済連合会国際部の井上剛副委員長(第一稀元素化学工業社長)によれば、ベトナムを重点国と位置付け、関西企業とベトナム政府機関との関係強化を図っている。

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