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【タイ】日系大手と新興企業が交流、大使館開催[経済](2019/10/10)

「ブレンド・バッチ・ワン」では、日タイのスタートアップ企業11社が事業をアピールした=9日、バンコク(NNA撮影)

「ブレンド・バッチ・ワン」では、日タイのスタートアップ企業11社が事業をアピールした=9日、バンコク(NNA撮影)

在タイ日本大使館は首都バンコクで9日、同国で事業を展開する日系企業とスタートアップ企業の交流イベント「ブレンド・バッチ・ワン」を初開催した。1回目の開催は電気・機械分野を対象に、日系大手や日タイのスタートアップ企業を招待。約100人が参加した。

佐渡島志郎駐タイ日本大使はイベントの冒頭で、世界が「VUCA(ブーカ=変動性、不確実性、複雑性、不透明性の頭文字を取った言葉)」の時代にある中、「自社の資源に固執するだけでは、変化への対応は難しい」と指摘。柔軟性があり事業スピードが速いスタートアップ企業との協業によって、新事業などの足掛かりをつかむことに期待する考えを示した。今月から毎月、対象分野を変えて同イベントを開催していく方針だ。

大使館は盤谷日本人商工会議所(JCC)と協力し、事前にJCC電気・機械部会が関心を持つスタートアップ企業の分野を調査。イベントでは、ニーズのあった「工場」「物流」「人事」の3分野のスタートアップ企業11社が事業を紹介した。

工場分野からは、タイのシステム・ストーンなど4社が参加。同社は製造現場での計測器の校正や機械の修理作業の進ちょく状況などを、スマートフォンで一元管理できるサービスを提供しており、大手財閥チャロン・ポカパン(CP)グループなどが運営する1,000工場で導入しているという。

このほか、イベントではパネルディスカッションも開催。スタートアップ企業との連携を強化している豊田通商のタイ法人、豊田通商タイランド、デンソーのグループ会社デンソー・インターナショナル・アジア、dentsuX(タイランド)=デンツウエックス(タイランド)=の幹部らが登壇し、タイでスタートアップ企業と連携するメリットなどについて意見交換した。豊田通商タイランドの中川裕二副社長は、「変化に対応できなければ、生き残れない」との考えを示した上で、「長い歴史のある会社が変化していくことは難しい。スタートアップ企業との協業によって(社内の)変化を促したい」と話した。

同社は、タイで自家用車向けのラッピングカー広告事業を手掛ける日系スタートアップ企業、フレア(タイランド)などと業務提携している。

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