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【カンボジア】気候変動で経済成長減速、所得増にも影響[経済](2019/10/08)

カンボジア財務経済省は、気候変動が国内経済の成長減速につながるとの見方を示した。高・中所得国への移行時期は当初目標の2030年から36年以降にずれ込むと予想している。クメール・タイムズ(電子版)が7日に伝えた。

同省は4日、「気候変動がカンボジア経済の成長に与える影響に対処する方法」と「カンボジア―再生可能エネルギー投資に対するリスクの軽減」を主題とする2件の報告書を公表。気候変動の影響により、2017~25年の経済成長率は年平均6.6%にとどまり、気候変動の要因を織り込まない場合の同6.9~7.0%から減速すると予測した。

政府は、国家戦略開発計画を通じ、30年までにカンボジアを低・中所得国から高・中所得国に移行させることを目指しているが、気候変動による影響が顕在化すれば、高・中所得国入りは36年以降になるとの見方だ。

さらに2件の報告書は、現行の対策が労働生産性に与える猛暑の影響を過小評価していると指摘。工場や建設現場などで労働者を暑さから保護する対策を強化する必要があるとの見解を示した。具体的には、工場の通気性向上や水分を摂取するための休憩時間拡大、勤務体系の見直しなどを図るべきとしている。

今回の報告を受け、環境省傘下の国家持続開発評議会(NCSD)のティン・ポンロック事務局長は適切な投資を実施することで、気候変動による損害を約3割軽減することが可能になるとコメント。農業やインフラ、公衆衛生、水質管理分野などで気候変動の影響を最小限にとどめる長期的な対策を講じていきたいとしている。

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