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【タイ】ライドシェア市場の拡大、経済貢献も=調査[運輸](2019/09/30)

CONCタマサートはライドシェア市場の見通しを発表した(同機関提供)

CONCタマサートはライドシェア市場の見通しを発表した(同機関提供)

タイのタマサート大学系のタマサート・コンサルティング・ネットワーキング・アンド・コーチング・センター(CONCタマサート)がまとめた調査によると、自家用車を配車する旅客輸送サービス「ライドシェアリング」がタイ経済に与える影響は2025年までに1,200億バーツ(約4,220億3,400万円)に上る見通しだ。18年の210億バーツから約6倍拡大する。

CONCタマサートでディレクターを務めるスティコン氏は、スマートフォンの普及を背景に、快適な移動手段を求めてデジタル技術を利用しようとする消費者は今後増えていくと指摘。タイでは都市人口の割合が向こう30年で現在の50%から73%に増加するとみられ、より円滑で安全な移動への需要は大きいとの見方を示した。

調査報告では、国内総生産(GDP)の地上輸送分野に占めるライドシェアリング分野の割合は18年に6%だったが、25年には20~25%まで拡大すると予測。ライドシェアリングの1カ月当たりの利用者数で見ると、18年の240万人から1,100万人に増えるとした。サービスを提供する運転手は、10万5,000人から59万人に増える見通しだ。

タイ政府は現在、ライドシェアリングの合法化に向けて関連法令の草案作成に着手している。運輸省幹部は先に、来年3月までに法令を施行できるとの見通しを明らかにした。

CONCタマサートが行った世論調査では、市民の95%がライドシェアリングの合法化を支持。移動の利便性向上のほか、新たな家計の収入源になるとも期待されているという。また、観光業界では、個人や少人数のツアーを利用する旅行客が外国人旅行客の75%に上る中、明瞭な金額表示や言葉の不安解消などのメリットを背景にライドシェアリングが産業の成長を下支えするとした。

CONCタマサートはバンコクに拠点を置き、企業向けにコンサルティングサービスやコーチング指導などを行っている。

■合法化に抗議者も

27日付バンコクポストによると、政府の合法化推進を巡っては、バイクタクシーの運転手ら50人が26日、バンコクの運輸省前で抗議を行った。抗議の代表者は「配車アプリの合法化は不公平で、われわれの収入の減少を招く」と主張した。合法化するのであれば、補償を用意すべきだとの意見も出ている。

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