【カンボジア】来年の経済成長率は6.8%に減速=ア開銀[経済](2019/09/27)
アジア開発銀行(ADB)は25日、カンボジアの今年の国内総生産(GDP)成長率を7.0%と予測した。来年の成長率は6.8%に減速する見通しだ。
ADBが同日に公表した「アジア経済見通し(ADO)2019年改訂版」によると、今年と来年の予想成長率は4月発表時と同水準。
ただ業種別では予想を見直し、今年に関しては上半期(1~6月)の干ばつの影響で農業分野の成長率を4月予想の1.7%から1.1%に下方修正。主力産業の縫製・履物・旅行商品分野に関しては、生産拡大が見込めるとして、10.1%から10.6%に引き上げた。今後の経済成長を脅かす要因としては、欧州連合(EU)が関税優遇措置を停止する可能性に加え、不動産市場への過剰融資などを挙げている。
地元紙クメール・タイムズ(電子版)によると、ADBのスニヤ・ドゥラニ・ジャマル・カンボジア代表は、世界の貿易状況に対する不透明な先行きや国際情勢の変化が、観光などサービス産業に与える影響を考慮し、カンボジアは早急に産業の多角化を推進する必要があると指摘。隙間産業の育成や高付加価値製品・サービスの開発などに注力すべきと提言した。
一方で今年のインフレ率見通しについては、4月時点の2.5%から2.2%に下方修正。来年に関しては、2.5%に据え置いた。経常赤字の対GDP比は今年、来年ともに13.5%と予想。4月時点の予測(それぞれ12.7%、11.8%)から引き上げた。