【インドネシア】パプア中部の暴動で17人死亡、負傷者も多数[社会](2019/09/24)
インドネシア・パプア州の中部にあるジャヤウィジャヤ県ワメナで23日、暴動が発生した。人種差別的発言のニュースの流布をきっかけに発生したもので、国営アンタラ通信によると、地区軍管区司令官のチャンドラ中佐は市民17人が死亡、65人が負傷したと明らかにした。いずれも暴動や火災に巻き込まれて死亡したと説明した。現在の状況について中佐は「おおむね平静を取り戻しているが、依然として兵士が警戒を続けている」と述べた。
これまでに国営電力PLNの地方事務所をはじめ、複数の商店やオフィスビル、車両が放火された。ワメナ空港は23日午前10時半(インドネシア東部時間)に治安上の理由で閉鎖された。同空港の責任者によると、警察か国軍の要請があるまで無期限閉鎖される。同空港はパプア州中部山間地の都市や集落を結ぶ地域の中心空港で、通常は1日120便が運航している。
■大学構内の衝突で4人死亡
パプア州のルカス知事は同日、州都ジャヤプラ市へラム地区のチェンドラワシ大学構内で学生と治安当局が衝突し、複数の死傷者が出ていると明らかにした。同日付コンパス(電子版)が伝えた。
知事によると、これまでに国軍の兵士1人が死亡。ルカス知事は「(暴動は)インドネシア各地から戻ってきたパプア出身の学生たちが、チェンドラワシ大学に集結していることと無関係ではない」との見方を示した。
国営アンタラ通信によると、パプア州警察のルドルフ本部長は、兵士と市民の合計4人が死亡したと明らかにした。市民3人の死因は捜査中だという。
衝突の原因は、同日の報道が出た時点で明らかになっていないが、直前に治安当局側が大学の講堂から一部学生を連行していたという。