【香港】外食の美心が新たな標的に、デモ隊が抗議[社会](2019/09/24)
「逃亡犯条例」改正案をきっかけとする社会的混乱が続く香港で22日、地場外食大手の美心集団(マキシム・グループ)を標的とする抗議活動が複数の商業施設で行われた。同社創業者の娘による警察支持の発言などに抗議するのが目的。ネットなどの呼び掛けに応じたデモ隊が美心傘下の小売店や飲食店でステッカーを貼り付けたり、スローガンを叫んだりした。23日付明報が伝えた。
一部ネットユーザーが22日、香港鉄路(MTR)の運営会社、香港鉄路公司(MTRC)傘下の商業施設などで不買運動を呼び掛けた。対象となったのは、新界・沙田のMTR沙田駅に隣接する「新城市広場(ニュータウンプラザ)」、MTR九龍駅上の「圓方(エレメンツ)」、新界・南昌駅上の「V Walk(V・ウオーク)」。
このうちニュータウンプラザでは、午後1時ごろから1,000人を超える市民がシュプレヒコールを上げ、抗議活動をたたえるテーマ曲を合唱。同3時までにモール内の美心の各店舗を回りつつ、来客に不買を呼び掛けた。
標的となった店舗は飲食店を含む多数に及び、美心系列のパン店のほか、ベーカリーレストラン「シンプリーライフ」、代理展開する米コーヒーチェーン「スターバックス」など。スタバでは一部デモ隊がレジカウンター前で座り込みを行うなどした。
このほか、中国IT大手「華為(ファーウェイ)」といった一部中国本土資本の店舗も抗議対象となり、影響を受けた。
ニュータウンプラザは午後5時過ぎ、早めの営業終了を余儀なくされた。同施設を運営する地場不動産大手、新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティーズ)は、抗議者らが公共の場所の秩序を乱したとして「極めて遺憾だ。強く非難する」とコメントした。
美心創業者である伍セン徳(セン=サンズイに占、ジェームズ・ウー)氏の長女、伍淑清(アニー・ウー)氏はこのほど、国連の会合で、一部デモ隊の破壊活動や空港占拠を指し、「暴力分子」が香港のイメージを傷つけたなどと発言していた。
明報によると、この日は先に呼び掛けられていた香港国際空港(チェクラプコク空港)での交通妨害が警察の警備強化で不発となったため、多くのデモ隊がMTR東涌線沿線のショッピングモールでの抗議活動に切り替えた。