【マレーシア】ヘイズ継続、長引く乾期で隣国の山火事増[社会](2019/09/11)
マレーシアで煙害(ヘイズ)が当面続きそうだ。例年より乾期が長引いている影響により、インドネシアで山火事が増加傾向にあるためだ。モンスーンの季節に入る今月末から来月初頭までヘイズが続くとみられる。9日にはサラワク州の4カ所で空気汚染指数(API)が「とても不健康」の水準に上がった。
マレーシア環境局によると、サラワク州クチンでは9日正午~午後4時にAPIが249まで上がった。同州ではスリアマンでもAPIが8日午後10時に263まで上昇し、9日も201以上で推移。サリケイとサマラハンも9日にそれぞれ最高210、202まで上昇した。10日午後5時時点でクチンは141、スリアマンは176だった。
このほか、首都クアラルンプールでは9日夜からAPIが上昇し、バトゥムダでは10日午後3時に170、チェラスは同午後2時に160までそれぞれ上昇した。
APIは50以下が「良い」、51~100が「中程度」、101~200が「不健康」、201~300が「とても不健康」、301以上が「危険」に区分される。
東南アジア諸国連合(ASEAN)専門気象センター(ASMC)は、インドネシアのカリマンタン島に今月5日、同スマトラ島に9日に、ホットスポット(森林火災発生箇所)が2日間に計250カ所以上で観測される「レベル3」の警報をそれぞれ発令。9日時点のホットスポットは、スマトラ島が247カ所、カリマンタン島163カ所、マレー半島が4カ所、サバ・サラワク州が1カ所となっている。
ヨー・ビーイン・エネルギー・科学・技術・環境・気候変動相は9日、フェイスブックで、山火事の消火が急務であることを、外務省を通じインドネシア政府へ外交文書で伝えると説明。カリマンタン島とスマトラ島の山火事の鎮火に協力する意向を表明した。
APIは、環境局のウェブサイト(http://apims.doe.gov.my/public_v2/api_table.html)で確認できる。