【日本】NNA創業30周年、東京で記念レセプション[社会](2019/09/17)
株式会社NNA(東京都港区)は13日、創業30周年記念レセプション「アジアの30年~これまでとこれから~」を東京・虎ノ門ヒルズで開いた。NNAの読者や連載執筆の専門家、パートナー、アジアビジネスの関係者ら約250人が出席。岩瀬彰代表取締役社長は「NNAがここまで歩んでこられたのも皆さまのご支援のおかげ。米中貿易戦争や香港での抗議活動、日韓関係の緊張と、アジアをめぐる情勢は激しく動いているが、NNAは立ち止まることなく新しい情報を追求していく。一般メディアが報じない日系・非日系を問わない企業動向や、法律・労務などのミクロ情報にこだわり、企業読者の関心のあるニュースを追い続けるという基本姿勢はこれからも変わらない。皆さまのアジアビジネスに役立つメディアであり続けたい」とあいさつした。
講演では、グローバルビジネスに詳しい3人が登壇した。最初に、元グーグル米国本社副社長兼グーグル日本法人代表取締役の村上憲郎氏が「グローバル時代に求められるリーダーとは」をテーマに講演。パソコンやインターネットの黎明(れいめい)期から新規ビジネスの立ち上げに数多く携わってきた村上氏は、情報をポータルサイトに目次という形で整理したヤフーと、索引という形で世界中の誰でもアクセスできることを目指したグーグルとのビジネスモデルの違いを示し、「イノベーションだけでは十分条件にはならない。ビジネスモデルが最重要だ」などと指摘した。
アジアやアフリカなどで、プロサッカー選手の本田圭佑氏がプロデュースするサッカースクールやプロサッカーチームの運営などを手掛けているSOLTILOの二村元基営業部長は、カンボジアでのサッカースクール運営が2年目から黒字化できた要因として、経験値や現在の能力ではなく、成長する意欲や可能性を重視して現地人材を起用していることや、大幅に権限を移譲して地域密着のイベントを実施していることがあると説明。今後は成長著しいアフリカでの事業も拡大していくと話した。
現代中国研究家として知られる国際問題研究所・客員研究員の津上俊哉氏は「中国経済と米中関係の行方」と題して講演。投資バブル後の債務膨張や、民営企業の資金調達難などの構造的な問題を抱え、国内景気が下振れしている最中に米中貿易摩擦が激化したことで、中国経済は「泣きっ面に蜂」の状況となっていると指摘。経済的な打撃が大きいのは中国の方だが、「株安など経済混乱で先に音を上げるのは米国になるかもしれない」と予測した。また、21世紀型の「ブロック経済」はデータ流通の制度間競争となるが、米国が華為技術(ファーウェイ)の締め出しで過激な手段をとると、逆に米陣営が世界で孤立し、覇権が衰退する危険もあると述べた。