【インドネシア】パプア島への外国人の訪問を制限、調整相[社会](2019/09/03)
インドネシアのウィラント調整相(政治・法務・治安担当)は2日、外国人がパプア州と西パプア州を訪問することを制限したと明らかにした。「安全上の問題」を理由にしている。同日朝には、西パプア州ソロンのデモ活動に関与した疑いがあるとしてオーストラリア人4人を強制送還した。
地元各紙によるとウィラント調整相は、ルトノ外相と協議した上で外国人の訪問制限を決定したと説明した。「可能な限り広い範囲で外国人の訪問を制限する」と述べた。
現地で安全性の確証が得られれば解除する。一方でウィラント調整相は1日、「パプア州と西パプア州は既に平常に戻ったと報告を受けている。街に平穏が戻り、日常生活を再開している」と主張。インターネットの利用制限もすぐに解除すると説明していた。
パプア州の事業者によると、ネットの通信状況は「完全に回復した」とは言えないものの、複数の地域で8月31日までに復旧した。一方でジャヤプラ市の日系自動車ディーラーは、2日夕方時点でも復旧していないと指摘。「ネットの利用制限は2週間続いており、業務に支障が出ている」と話した。
政府は、暴動をあおるような偽情報が会員制交流サイト(SNS)上で広まっていることを理由に、8月19日に現地のネット利用を制限した。通信・情報省によると、同30日までに30万件以上のURLを凍結した。
ジャヤプラ市では同28日ごろ、国営通信テレコムニカシ・インドネシア(テルコム)の携帯電話サービス子会社テルコムセルの通信ケーブルが何者かに切断される事件が発生したために、通話やSMS(ショート・メッセージ・サービス)も一部利用できなくなっていた。
国軍(TNI)や国家警察は1日までに、パプア州ジャヤプラ市やナビレ県、西パプア州マノクワリ、ソロン、ファクファクなどに6,000人以上の警備部隊を派遣した。パプア州ジャヤウィジャヤ県の警察当局は2日、県内の主要施設の安全を確保するため、新たに300人の機動隊が同県に派遣されたと説明した。