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【タイ】工業省のジャパンデスク、開設10周年[経済](2019/08/29)

タイ工業省工業振興局のジャパンデスクが、開設10周年を迎えた。28日にバンコクで開かれた記念式典には、日タイ両国の代表者らが出席。過去10年間の2国間における経済面での連携を振り返るとともに、日系企業による投資の現状や今後の連携強化に向けた課題について議論した。

タイ工業省工業振興局ジャパンデスクの開設10周年記念式典に出席した佐渡島駐タイ日本大使(右から3人目)、ジェトロ・バンコク事務所の竹谷所長(右端)ら=28日、タイ・バンコク(NNA撮影)

タイ工業省工業振興局ジャパンデスクの開設10周年記念式典に出席した佐渡島駐タイ日本大使(右から3人目)、ジェトロ・バンコク事務所の竹谷所長(右端)ら=28日、タイ・バンコク(NNA撮影)

ジャパンデスクは、日タイの中小企業の連携促進を目的とし、2009年にタイ工業省、日本貿易振興機構(ジェトロ)、国際協力機構(JICA)によって設立された。

ジェトロ・バンコク事務所の竹谷厚所長によると、タイに進出する日系企業は、ジャパンデスク開設前の08年の3,884社から17年には40%増の5,444社に増加。このうち中小企業は1,024社から約80%増の1,859社に増えたという。タイに進出する日系企業は現在、6,000社を超える。

米中貿易摩擦による日系企業の投資への影響について問われた佐渡島志郎駐タイ日本大使は、「中国の生産コストの上昇を受けて、日系企業が中国からタイに移転する動きは以前からあったが、米中貿易摩擦がそれを助長している」と述べた。

竹谷所長は、バーツ高により日系企業の投資が減速する可能性があるとの懸念について、「今年5~6月に実施した実態調査では、タイに進出している日系企業の34%が『投資を増やす』としており、投資欲は悪くなっていない」と説明。ただ、バーツ高が続けば日系企業の投資に影響を与える可能性があるとし、長期的に動向を注視していく必要があるとの考えを示した。

タイのスリヤ工業相は、最低賃金の上昇や労働力不足といった問題に言及。最低賃金については民間分野と折り合いをつけ、労働力不足は産業高度化で補塡(ほてん)すると述べた。米中貿易摩擦の影響による移転先として競合となるベトナムを近日中に訪問する予定で、政府の投資優遇政策や人材の現状などを探るという。

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