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【マレーシア】日野のトラック、分解修理なしで100万キロ[車両](2019/08/21)

日野モータース・セールス・マレーシア(以下、日野マレーシア販売)は20日、地場宅配サービス大手GDエクスプレス・キャリア(GDEX)に納入した小型トラックが、エンジンを一度もオーバーホール(OH、分解・修理)することなく走行距離100万キロメートルを達成したと発表した。地球を約25周した計算となる。通常、トラックで寿命が最も長い大型でも70万キロが目安とされる中での大台突破となった。

GDEXのテックリャン社長兼CEOに記念品を贈る日野自の市橋会長(中央)と日野マレーシア販売の内山社長(右)=20日、プタリンジャヤ(NNA撮影)

GDEXのテックリャン社長兼CEOに記念品を贈る日野自の市橋会長(中央)と日野マレーシア販売の内山社長(右)=20日、プタリンジャヤ(NNA撮影)

GDEXは現在、1,200台余りのトラックを保有し、うち6割強に当たる764台が日野ブランド。マレーシアを訪問した日野自動車の市橋保彦会長はNNAに対し、「100万キロの到達は大切に使ったことで実現できる。われわれへの確かな信頼の証でもある」と述べた。走行距離100万キロを記録したのは車両総重量7.5トンの小型トラック。GDEXは2006年に使用を開始し、日野マレーシア販売によるアフターサービス(保守・点検)を定期的に受けながら運用してきた。

日野マレーシア販売の内山厚志社長は「トラックの寿命はクラッチやブレーキの操作による車への負荷でも変わってくる。高速道路が比較的整備されているマレーシアは長距離輸送がしやすい国であることも、寿命に影響している」と話す。GDEXが、日野マレーシア販売の試乗・講習施設「日野トータルサポート・カスタマーセンター(HTSCC)」に毎月20~30人の運転手を派遣し、「安全・省燃費運転に関する研修を受けさせていることも『大切に乗る』ことにつながっているのではないか」と指摘した。

日頃のメンテナンスにおいても、「正規ディーラーによる純正部品を使った修理が重要だ」と強調。町の修理工場などでの非正規部品を使った整備は、車両の寿命を縮めるだけでなく、事故の原因にもなりかねないためだ。

同日にスランゴール州プタリンジャヤのGDEX配送センターで開かれた記念式典で、GDEXのテオン・テックリャン社長兼グループ最高経営責任者(CEO)は「物流を支えるトラックには長寿命が求められている。日野の強みであるQDR(高品質・耐久性・信頼性)はわれわれの事業に不可欠な要素だ」と話した。

■総合サービスで顧客ビジネスを支援

日野マレーシア販売は15年にHTSCCを設立し、19年1月には受講者数が累計1万人を超えた。日野グループとしては25年までの中期経営計画で、「最高にカスタマイズされたトータルサポート」を柱の一つに掲げ、顧客にとっての車両の稼働時間の最大化とライフタイムコストの最小化を支援している。今年4月には、ヤマトホールディングス傘下のマレーシアヤマト運輸と連携し、HTSCCで新たな安全運転研修プログラムを始動した。

一方のGDEXはインターネット通販の拡大を追い風に事業展開を強化しており、今年4月にマレーシアの格安航空会社(LCC)エアアジア・グループの航空貨物・物流子会社レッド・カーゴ・ロジスティクスと提携。東南アジア諸国連合(ASEAN)地域を中心に貨物輸送のネットワークを拡大した。

GDEXの19年第1~3四半期(18年7月~19年3月)決算は、売上高が前年同期比7.6%増の2億3,529万リンギ(約60億円)、純利益が同32.0%増の2,258万リンギだった。

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