【フィリピン】日本郵船、船員向け電子決済を20年開始[運輸](2019/07/26)

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日本郵船は25日、外国人船員向けにスマートフォンを使った電子通貨の決済システムを2020年1月にも開始すると発表した。船上での給与支給や生活用品の購入などをキャッシュレス化して利便性を高める。同事業を展開するのは日本郵船が世界初となる。将来は他社船のほか、邦船社の船員の7割が居住するフィリピン国内にも展開する計画だ。

日本郵船のデジタル部門担当の藤岡氏(左から2番目)のほかシティグループ、アクセンチュアの担当者ら=25日、東京(NNA撮影)

日本郵船のデジタル部門担当の藤岡氏(左から2番目)のほかシティグループ、アクセンチュアの担当者ら=25日、東京(NNA撮影)

サービスの名称は「マルコペイ(MarCoPay)」で、米コンサル大手アクセンチュア、金融大手シティグループと提携して開発した。新サービスを始めるに当たり、フィリピンの物流企業との合弁会社を今月12日に設立した。

新会社名は決済システムと同じマルコペイ。日本郵船が長年提携している地場物流大手トランスナショナル・ダイバーシファイド・グループ(TDG)との折半出資となる。

TDGがマニラ首都圏タギッグ市に構えるイノベーション開発拠点が本社となる。新会社は電子決済手数料のほか、電子マネー化による船会社のコスト削減分を手数料として収益に充てる。

まずは来年から日本郵船が運行管理する200隻を対象に順次導入を進める。その後、他社船に広げていく。

電子マネーは米ドル建てで、再現金化や海外送金が可能。日本郵船のデジタル・ガレージチーム長で、マルコペイ社長に就任予定の藤岡敏晃氏は、電子マネーを再現金化するサービスは他にはないと話す。船上では、買い物分などとして船長が給与の一部を現金で管理しているのが一般的で、日本郵船の推算では世界の船舶上の現金は800億円に上るという。

■フィリピン国内にも展開

船舶での普及に次いで狙っているのが、都市から隔絶されたプラント建設現場での導入だ。数カ月も海上で勤務するという特殊環境に近い中東などが想定されるという。その次の段階としては、船員の7割を占めるフィリピンでの電子マネーとしての展開だ。

現在はフィリピン中央銀行の認可待ちで、電子マネー機関(EMI)として、フィリピンの通信大手PLDTの子会社が手掛ける「ペイマヤ」や「Gキャッシュ」などと同様のライセンスを取得することになる。

藤岡氏は、ペイマヤなどとの違いについて、「全国民がターゲットの両社らと異なり、フィリピンでは高給を得られる(約数十万人の)船員に限定したサービスとなる」と説明。「船員にとっては住宅や自動車のローンを低利で組めるなどメリットを得られると同時に、安定した収入のある船員向けのサービスを展開したい企業にとっても魅力あるプラットフォームになる」と語った。ただ、フィリピン展開の時期については明言を避けた。

日本郵船によると、邦船社の船員の73%はフィリピン人。以下、インド人(8%)、中国人(5%)、ミャンマー人(4%)、ベトナム人(3%)と続く。

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