【ベトナム】三井住友海上、リスク対策セミナーを開催[経済](2019/07/25)
三井住友海上火災保険の現地法人MSIGインシュランス(べトナム)は23日、ホーチミン市で「リスクマネジメントセミナー」を実施した。同セミナーでは、MS&ADインシュアランスグループのインターリスク総研の専門家が、労災リスクと火災・風水害事故について講演した。
講演は2部構成で、1、2部ともにインターリスク総研のタイ法人、インターリスクアジア(タイランド)の服部誠社長が登壇した。第1部では「労災リスクとその対策について」と題して講演。ベトナムでの2018年の労災事故死傷者数は、9,268人(負傷者数8,229人、死者数1,039人)で、約半数の46.49%は使用者責任が認められているという。使用者責任が認められた主な原因は、◇労働安全衛生対策・ルールが未整備◇教育・訓練が不十分◇機械設備の安全対策の未実施など――。また、通勤途上などの交通事故も多いという。
服部氏は「労災は人為的ミスによるものが9割にのぼる」と指摘。その上で、労災事故が発生するメカニズムを解説し、現場作業者に対する効果的な指導法などについて講演した。
■ベトナムは温暖化の影響を受けやすい
第2部で服部氏は「火災・風水害事故の傾向と対策」と題して講演した。ベトナムでは、1953~2018年の65年間で212件の自然災害が発生し、年平均で400人が死亡している。中でも風災と洪水が多く自然災害発生件数の約94%を占めるという。
同氏は「ベトナムは世界で8番目に温暖化の影響を受けやすい」と述べた上で、洪水による被害が今後多発する可能性を指摘した。
また自然災害による過去の被害事例を紹介し、製造工場などの現場管理者が取るべき対策などを解説した。
同氏はこのほか、火災への対策についても取り上げた。同国では生産ラインなどでの電気火災が多く、被害額が1億円以上となる火災も少なくないという。