【香港】毎週末にデモか、14日は沙田で計画[社会](2019/07/09)
中国本土への容疑者移送を可能にする「逃亡犯条例」改正に絡み、香港のインターネット上では域内18区で毎週末に1回、抗議活動を行うとの呼び掛けが出ている。抗議の機運を高めるとともに、市民の関心維持が狙いという。直近では、14日に新界・沙田、21日に将軍澳や大埔などでそれぞれ実施を計画する動きが確認されている。実際に抗議活動が行われるかは不明だが、在留邦人は情報収集するなど注意が必要だ。8日付明報、香港経済日報が伝えた。
沙田の地域団体「沙田一隅」と沙田区議会議員の陳兆陽(ビリー・チャン)氏はこのほど、14日に抗議活動を呼び掛けるネット上の声に応じる形で、警察当局にデモ行進の実施を申請した。コースは大囲遊楽場から沙田区庁舎までの予定で、今後当局と詳細を詰める。参加者は1,000人近くと見込む。
沙田一隅は、沙田に住む、1990年代生まれの「90後」と呼ばれる若者約10人からなる。組織の代表で、政治団体「香港衆志」の常務委員を務める梁延豊氏は、デモは「平和・理性・非暴力」をテーマに行うと強調。改正案の撤回や抗議活動の継続的実施、市民に訴えを理解してもらうことが目的と説明した。
将軍澳で21日に計画されている抗議活動は、香港鉄路(MTR)将軍澳駅から海沿い、康城(ロハスパーク)駅を経て工業団地までのコースになるとみられる。同日は大埔でも実施の呼び掛けが出ているが、詳細は未定。27日か28日は、土瓜湾と黄埔(ワンポア)での実施計画が浮上している。
■旺角で衝突も
7日に九龍地区で行われた条例改正案に反対するデモの後、一部の参加者は尖沙咀から旺角までネイザンロードを北上した。その後、ネイザンロードとアーガイルストリートの交差点付近で警察と対峙(たいじ)。警察は複数回の警告を発し、解散を呼び掛けたが応じず、午後11時ごろに排除に乗り出した。この際に警察と一部抗議者が衝突し、警察は公務執行妨害などで5人を逮捕した。
7日正午から全ての乗車券販売を取りやめた西九龍駅では同日、駅への入場者数が週末平均の半分となる約3万1,000人にとどまった。出入り口を2カ所のみに制限し、乗車券を持つ人のみ入場可能としたため、旅行者などからは不満の声が漏れた。