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【フィリピン】第8回日比インフラ合同委、クラークで開催[経済](2019/06/19)

日本・フィリピン両政府は18日、フィリピン政府が首都マニラ北郊で開発を進める新都市「ニュー・クラーク・シティー」で、日フィリピン経済協力インフラ合同委員会の第8回会合を開催した。日本からフィリピンへの初の米ドル建て借款契約を締結。日本の外務省によると、安倍晋三首相が2017年に表明した5年間で政府開発援助(ODA)と民間投資を合わせて1兆円の支援は、署名ベースで半分を超えた。

会合には、日本側から和泉洋人首相補佐官、フィリピン側からドミンゲス財務相と国家経済開発庁(NEDA)のペルニヤ長官が代表として参加した。地域開発、情報通信技術、エネルギー、環境問題、ミンダナオの平和構築イニシアチブなどフィリピン政府が取り組む重要課題の解決に向けた協力について議論した。内容は非公開。

ドミンゲス財務相は会合後の会見で、◇ダバオ市バイパス建設事業の追加融資◇セブ州マクタン橋建設事業の3件の融資◇マニラ首都圏主要橋梁耐震補強事業(フェーズ2)◇マニラ首都圏地下鉄整備計画(フェーズ2)の融資◇日比友好道路ダルトンパス区間の整備のための代替ルートの事業化調査(FS)◇マラウィ市の再建に向けた支援――について合意したと発表した。会合では、今後も緊密な意思疎通を図り、協力案件の迅速かつ着実な実施を目指すことで合意した。

日本政府(右列)とフィリピン政府(左列)は、インフラを中心に経済協力について協議した=18日、タルラック州ニュー・クラーク・シティー(NNA撮影)

日本政府(右列)とフィリピン政府(左列)は、インフラを中心に経済協力について協議した=18日、タルラック州ニュー・クラーク・シティー(NNA撮影)

ペルニヤ長官は、同国が近い将来に上位中所得国入りすることを見据え、円借款による事業のうち、マニラ首都圏地下鉄整備計画、南北通勤鉄道延伸事業、ミンダナオ地方の支援を優先事業とすると述べた。

同会合では、ミンダナオ島の紛争影響地域の道路ネットワーク整備への総額2億204万米ドル(約219億円)の借款契約を、両国政府が締結した。同案件は、ミンダナオ地方の和平定着と社会安定化に関する日本の支援の柱となる。

日本の外務省関係者は、他国に比べ速いペースでODAを実施しており、「フィリピンでは日本の支援は速くて確実と認識されている」と話した。

次回の第9回会合は、今年10月に日本で開催する予定だ。

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