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【フィリピン】イスラム金融法案が可決、金融包摂実現へ[金融](2019/06/10)

フィリピンの上下両院はこのほど、イスラム金融の法的枠組みを定めた法案を可決した。フィリピン中央銀行監督の下、イスラム金融の普及を促進し、貧困や社会的な地位の低さから銀行に口座を持てない国民にも金融サービスの恩恵を広げる「ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)」の実現につなげる。

上院は3日、下院が提出したイスラム金融機関の規制と組織に関する法案(下院法案第8281号)を最終読会で可決。両院の合同委員会を経ることなく、今国会で両院を通過した。地元紙マラヤなどによると、同法案は既に大統領府に提出されており、ドゥテルテ大統領が署名すれば成立する。

同法案では、イスラム銀行は中銀管轄の下、◇当座預金◇投資収益を除き、金利のない普通預金◇投資口座◇外貨預金◇送金または口座振替◇信用状・保証状の発行やイスラム法に基づく金融商品◇支払指図や為替手形、イスラム法に基づく取引証書の範囲内での回収◇イスラム法に基づく融資――などのサービス提供が可能と規定した。成立後に中銀が施行細則(IRR)を策定し、金融委員会でイスラム銀行の認可数などを規制する方針だ。

中銀のジョクノ総裁は、「イスラム金融の普及は、国内に居住するイスラム教徒に有効な金融手段を提供する上で重要な役割を果たす」とコメント。金融包摂の実現に大きく寄与するとして、同法案の可決を歓迎した。

フィリピンでは現在、民間資本がイスラム銀行を設立する際に従うべき法律、規則は未整備。イスラム銀行は、1973年に設立され、ミンダナオ地方に拠点を置くアルアマナ・イスラミック・インベストメント・バンク(AIIB)の1行だけで、同行は2008年から政府系フィリピン開発銀行(DBP)の傘下に入っている。

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