【香港】資産管理サービスの税優遇検討、財政長官[経済](2019/06/05)
香港政府の陳茂波(ポール・チャン)財政長官は3日、富裕層の資産を管理する「ファミリー・オフィス」などウェルスマネジメントサービスを香港により呼び込むため、税優遇措置の検討を進めていると明らかにした。香港の競争力向上が狙い。4日付香港経済日報などが伝えた。
立法会(議会)の財経事務委員会に出席した際に発言した。税優遇対象が法人か個人かは不明。
中国本土への容疑者引き渡しを可能にする香港政府提案の「逃亡犯条例」改正案に関しては、「香港の個人資産管理サービスに打撃をもたらし、香港への資金流入にネガティブなインパクトをもたらすとの懸念が市場にあるが、不正資金の流入を阻むものになると信じている」と述べた。
米中貿易摩擦については「株式市場など金融市場にもたらされた影響が、金融システムの安全を揺るがす問題に発展していくかどうかを注視している」と述べ、対策を進めていることも明らかにした。「必要があれば景気安定に向けた公共投資の拡大を検討する」とも発言した。
貨物貿易への影響は、香港経由の本土―米国間取引が香港の輸出総額の9%にとどまる点を説明し、「リスクはコントロール可能」とした。ただ米中摩擦の直接的な影響を受ける輸出企業に向けてピンポイントな支援策を検討する可能性に触れた。