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【タイ】航空4社の1~3月決算低迷、市場競争激化[運輸](2019/05/28)

タイ証券取引所(SET)に上場する航空4社の2019年1~3月期決算は、合算の売上高が前年同期比5.5%減の746億5,000万バーツ(約2,580億円)、純利益が74.1%減の11億4,000万バーツの減収減益だった。観光業の回復が遅れている中、格安航空会社(LCC)による運航便の増加などで市場競争が激化した。

タイ国際航空は、純利益が83.6%減の4億4,500万バーツと大幅な減益。営業損益は8億2,800万バーツの赤字に転落した。売上高は6.9%減の497億9,100万バーツ。LCCとの市場競争により旅客収入が7.0%減収となったほか、米中貿易摩擦による影響で貨物事業の収入も12.9%減った。

バンコク・エアウェイズは、純利益が29.0%減の5億400万バーツ、売上高が0.5%減の77億9,000万バーツだった。国内線を中心に旅客数が1.9%減少。燃料費や航空機の修理・メンテナンス費用も増加し、減収減益となった。

一方、LCCでは、マレーシア系のタイ・エアアジアの持ち株会社アジア・アビエーションの純利益が、50.5%減の4億9,700万バーツ、売上高は0.2%減の116億2,300万バーツだった。新規路線の就航を進め、旅客数は4%増加したが、1人当たりの平均運賃が7%減少したことで、売上高は微減。空港などの運営費や修理・メンテナンス費用が増大し、減益となった。

ノック・エアラインズは、赤字が前年同期の2,700万バーツから3億400万バーツに拡大。売上高は10.4%減の54億4,900万バーツだった。ノックエアは報告書で、経営改革として航空機2機を売却したことで、中国人向けチャーター便を中心に運航便が減少したこと、価格競争により航空運賃が値下がりしたことが影響したとしている。

タイ観光・スポーツ省によると、1~3月の外国人旅行者数は前年同期比1.8%増の1,079万5,246人。国籍別で最大の中国人は、1.7%減の311万9,825人だった。昨年の7月に南部プーケットのボート事故で中国人が死亡したことで、中国人旅行者数は減少傾向にあり、外国人旅行者数の伸びは鈍化している。

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