【フィリピン】バナナ輸出協会、日本の検疫強化に懸念[食品](2019/04/23)
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フィリピンのバナナ生産者輸出業者協会(PBGEA)は、日本がフィリピン産バナナの輸入に対する検疫を厳格化したことで、フィリピンからの出荷が滞ることに懸念を表明した。同国産バナナから基準値を超える農薬が検出されたことは「農家による農薬使用量の監視の手違い」との認識を示した。検査の緩和に向け当局への働きかけを強めていく方針だという。
PBGEAのスティーブン・アンティグ会長はNNAに対し、「フィリピンのバナナの出荷先の第一位は中国だが、PBGEAの加盟企業に限れば日本が最も多い」と説明した。現在、日本向けの出荷にどのような影響が出ているか、調査を進めているという。
フィリピン産バナナへの検査基準が厳しくなったのは昨年11月以降。厚生労働省は同月、フィリピン産バナナから、殺虫剤の一種であるフィプロニルが多く検出されたと発表。輸入される全ロットへの残留農薬の検査を義務付ける命令を出した。
残留フィプロニルの量が基準を超えた違反件数は、17年度はゼロだったが、18年度は発表時点で4社による計9件に上った。違反業者は、ラパンダイ・フーズ、ABダイレクト・フレッシュ・フルーツ、サクレックス・マーケティング、ファースト・キャピタル・インベストメントの4社。このうち、PBGEA加盟企業はラパンダイだけだった。
アンティグ氏は「おそらくバナナ農家による農薬使用量の監視に手違いがあったのだろう」との見解を示し、フィリピン政府と日本側の交渉で検査が緩和されることに期待を示した。
バナナは、フィリピンの主要な輸出品目。18年の輸出額は前年比33%増の約15億米ドル(約1,680億円)だった。