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【台湾】TTLが越子会社計画断念、「中国台湾」拒否で[食品](2019/05/10)

公営の酒・たばこ類メーカー、台湾エン酒(エン=草かんむりに於、TTL)が、ベトナム子会社設立計画を断念していたことが分かった。ベトナム政府の要求する子会社設立に当たっての国籍登記欄に、台湾ではなく「中国台湾」の選択肢しかないことが発覚し、公営企業である同社がそれを受け入れることはできないと判断し、断念した。

9日付自由時報が伝えた。TTLの幹部は、「中国台湾の登記については、内部でも討議を重ねたが、公営企業がそれを受容することはできないとの結論に至った」と説明。2018年末にベトナム子会社設立計画の中止を董事会(取締役会)で承認後、台湾財政部(財務省)に報告し、承認を得たという。

TTLのベトナム子会社設立計画は、07年に呉容輝・前董事長が提案。ビール消費量がアジア3位の規模であるほか、東南アジア諸国連合(ASEAN)の特恵関税が使えることから、東南アジア向けの輸出拠点としてホーチミン市に子会社を設ける計画を進めていた。従来の計画では、18年下半期(7~12月)の稼働を目指していた。設立後は現地代理店を通じた販売から直接販売に切り替え、ライセンス供与による現地生産も検討するとしていた。

ベトナムでは子会社設立を視野に、17年5月には、ホーチミン市に本社を置く醸造会社ビア・ビナケンと委託生産について覚書(MOU)を結んでいる。

今年3月にTTLの董事長に就任した丁彦哲氏は、「ベトナム子会社設立計画は中止となったが、海外市場開拓は引き続き行っていく」と表明。

海外市場の戦略について、同社幹部は、現在は主に現地販売代理店を通じた販売のみだが、今後は適当な国・地域で、提携パートナーを積極的に探し、現地の状況に合った方法で、市場を開拓していく考えを示している。

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