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【インドネシア】史上初の同日選は混乱なし、首都南の投票所[政治](2019/04/18)

南ジャカルタ・スティアブディの投票所。前日の午後8時から自動車の通行が禁止された=17日、ジャカルタ(NNA撮影)

南ジャカルタ・スティアブディの投票所。前日の午後8時から自動車の通行が禁止された=17日、ジャカルタ(NNA撮影)

インドネシア史上初めて総選挙と同日施行となった17日の大統領選。午前7時に投票が開始され、6時間後の午後1時には締め切られた。2億人近くの有権者が投票する選挙にしては、日本に比べて投票時間が短いようだが、案の定時間外に投票に来る人が多く見られた。それでも全体的に大きな混乱はなく投票が終了したようだ。南ジャカルタ・スティアブディの投票所をのぞいた。(多田正幸)

投票所を設置する適当な土地がない地域では、路地に仮設投票所が設置される。スティアブディのこの投票所は、幅員6.5メートルの道に椅子と机が並べられ、ブルーシートの屋根が張られただけの簡素なつくり。150メートル先、さらに20メートル先の路上にもそれぞれ投票所が設置された。

粛々と投票が進む日本の投票所とは異なり、待機所では住民同士の歓談が始まり、すぐ隣で子供が遊び、投票箱の下を野良猫がゆっくりと通り過ぎる。受付の真後ろを通行人が通るような状態だが、限られたスペースでも投票箱には人が近づけないように考慮されている。

県・市議会議員選挙がないジャカルタ特別州では、四つの投票箱が用意された。投票が締め切られた午後1時過ぎ、ボランティアとして投票所で働く男性は「投票が終わるまではこれまでと大して変わりはなかった。大変なのは開票と集計作業だ」と疲労の色をにじませながら話した。

この男性は「今回に限らず、投票時間外に訪れる人も多い。周知がきちんとできていれば、投票率も上がるのではないか」と話した。この投票所の有権者名簿に登録された299人のうち、実際に投票したのは231人(投票率77%)だった。全国には約81万カ所の投票所が設置された。

■有権者買収が横行か

ロイター通信によると、インドネシアでは選挙の度に2万~10万ルピア(約160~797円)の現金が入った封筒がばらまかれるという。今回の選挙運動中も国内各地で有権者の買収が摘発された。

ある有権者は、メッセージアプリ配信サービス「ワッツアップ」に、知らない番号からメッセージが届いた。ある候補へ投票する見返りとして、25万ルピアをくれるというので自宅で受け取った。「現金は受け取ったが、自分で選んだ候補者に投票する。誰に投票したかは誰にもわからない。化かし合いのようなもの」と話した。

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