【マレーシア】国家遺産局、伝統料理のユネスコ登録を検討[社会](2019/03/27)
マレーシア観光・文化省傘下の国家遺産局(JWN)は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にマレーシアの食文化を提案する方針だ。若い世代を中心に欧米型の食生活が浸透し、日常の食卓や慶事などで伝統料理が並ぶ機会が少なくなっていることが背景にある。ニュー・ストレーツ・タイムズが26日伝えた。
JWNは、2005年国家遺産保存法の下、ココナッツミルクで炊いた白米「ナシレマ」や果物の王様と呼ばれる「ドリアン」、魚をバナナの葉で包んで焼き上げる「イカン・センカル・サンバット」など、マレーシアの213食品・メニューを伝統料理として認めている。これらをユネスコの無形文化遺産として申請する考えだ。
JWNのディレクター、シャフリン・アブドゥラ氏(世界遺産部門)は、「食はユネスコが示す『人類の無形文化遺産の代表的な一覧表』に含まれているが、登録までの事前審査が厳しい。まずは、ユネスコの評価機関に申請書類の段階で『登録にふさわしい』と認められなくてはならない」と語気を強める。
評価機関は、ユネスコの締約国で構成される政府間委員会が設置し、毎年11月か12月に開催される。シャフリン氏は、「ここを通過することが第一関門だ」と語った。