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【インドネシア】環境NGOで就業体験を支援、SJNKEF[社会](2019/02/07)

損保ジャパン日本興亜環境財団(SJNKEF、東京都新宿区)は6日、環境分野の非政府組織(NGO)で就業体験(インターンシップ)を希望するインドネシアの大学生・大学院生を支援するプログラムを開始した。学生に環境問題に取り組むNGOへの理解を深めてもらうのが狙い。日本では同様の支援制度で約20年の実績を持つが、海外で実施するのは初めて。

環境NGOでインターンシップに参加する学生の代表(右から3人目)=6日、ジャカルタ(NNA撮影)

環境NGOでインターンシップに参加する学生の代表(右から3人目)=6日、ジャカルタ(NNA撮影)

SJNKEFのプログラムの名称は「NGOラーニング・インターンシップ・プログラム・イン・インドネシア」。学生を受け入れるNGOは、世界自然保護基金(WWF)インドネシアなど、ジャカルタ首都圏で活動する10団体。プログラム参加希望者の大学の専攻分野については問わず、環境問題に関心のある学生に広く門戸を開いた。1団体につき2人、合計20人の定員に対して、首都圏だけでなく東ジャワ州やスマトラ島など全国の41大学から合計140人を超える応募があった。書類と面接選考の結果、最終的に8校から20人が選ばれた。

プログラムは6日、ジャカルタのホテルで開かれたキックオフイベントを皮切りに、9月まで実施される。学生は8カ月間で最長75日間、NGOで就業し、月1回開かれる定例会議に参加して活動内容の報告書を作成する。

SJNKEFは、インターンシップに参加した学生に奨学金として1日当たり10万ルピア(約790円)を支給する。日本環境教育フォーラム(JEEF、東京都荒川区)のインドネシア事務所が実務など運営に協力する。

インドネシアには森林破壊や廃棄物処理などの環境問題が山積している。環境NGOにとっては、学生に各団体の活動内容に対して理解を深めてもらい、将来は就職先として選んでもらう機会も提供できる。

SJNKEFは、日本で2000年に同様の制度を開始、これまでに累計1,000人以上の学生が参加した。修了生は、環境関連の企業や部署などに就職し、社会貢献活動に参加している人も少なくない。

損保ジャパン日本興亜環境財団の二宮理事長(中央)とNGO関係者=6日、ジャカルタ(NNA撮影)

損保ジャパン日本興亜環境財団の二宮理事長(中央)とNGO関係者=6日、ジャカルタ(NNA撮影)

キックオフイベントに出席したSJNKEFの二宮雅也(ふたみや・まさや)理事長(損保ジャパン日本興亜会長)は、海外で初めての実施国にインドネシアを選んだ理由について、損保ジャパン日本興亜のインドネシア法人、損保インシュランス・インドネシアを通じて、小中学生を対象に交通安全プロジェクトを実施するなど、企業の社会的責任(CSR)の経験を持つことなどを挙げた。

当初の予想を上回る人数の応募があったことに加え、「イベントに参加した学生のスピーチから、インドネシアの学生の環境問題に対する意識の高さが感じられた」と述べた。将来的にはインドネシアの地方都市や、近隣諸国にも展開することも検討したいという。

学生を受け入れるNGOの一つで、生活環境に関する啓発活動を行っているデタラ・ファンデーションのラティパ・ダイレクターによると、学生の就業時間は1日当たり4時間を予定している。今回のプログラムについて、「学生への報酬など資金的な支援が受けられるのはありがたい。学生にわれわれが持つ環境問題への取り組み方のノウハウを提供することで、彼らが将来、経験を生かして活躍してくれることに期待している」とコメントした。

プログラムに参加する、ボゴール農科大学(IPB)で環境問題について学ぶディヤナトゥニサさんは「自分が学んでいる専攻分野の知識を深められると思って参加を決めた。経験を積んで将来はNGOで働きたい」と語った。

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