【シンガポール】政府、オーチャードの再開発方針を公表[経済](2019/02/01)
シンガポール政府は1月30日、中心部の繁華街オーチャード・ロードの再開発方針を公表した。約2.4キロメートルにわたる通り沿いの地区を4つのエリアに分け、それぞれのテーマに合わせた開発を進める考えだ。
方針を公表したのはシンガポール政府観光局(STB)、都市再開発庁(URA)、国立公園管理局(Nパークス)の3者。「(オーチャードを)市民と旅行者の両方が訪れやすい場所にする」「オーチャードを取り戻す」の2つを開発の柱に掲げている。
オーチャード・ロードの西側タングリン地区は「芸術や文化」を振興するエリアとする。アート関連のイベントに加え、ファーマーズマーケット、屋外ヨガの開催といった近隣住民のライフスタイルに合わせた地区開発を行う。
オーチャード駅周辺のオーチャード地区は、引き続き「ショッピングの中心地帯」にする。通り沿いの催事スペースを整備し、イベントの開催や期間限定店の設置などをしやすくするほか、商業施設同士をつなぐ空中通路の増設などが検討されている。
サマセット地区は「若者の街」にするため、イベントスペースの拡充などを検討。コンピューターゲームの勝敗を競うeスポーツの開催などを想定している。
ドービーゴート駅周辺は「家族向け」の地区にする。商業施設周辺の公園やオープンスペースを維持するとともに、子ども向けの遊び場の拡充を図る。
「オーチャードを取り戻す」に込められた意味は、現在は少なくなってしまったシンガポールの在来植物の植林などを通じて、オーチャード・ロード沿いの緑をより豊かにすること。この一環として、サマセットからドービーゴートにかけての部分にあるイスタナ・パークの再整備も行う。
サマセットにある商業施設「313@サマセット」では、今月13日までオーチャード再開発方針を紹介する展示会を実施。オンラインで5月末まで市民の意見を受け付ける。