【フィリピン】米シリコンバレーに産学官の視察団派遣[電機](2019/01/15)
フィリピン半導体・エレクトロニクス産業連盟(SEIPI)は、貿易産業省、科学技術省、フィリピン貿易投資センター(PTIC)などと共同で、米シリコンバレーに視察団を派遣した。産学官連携による初の訪問で、IT業界の有力サプライヤーになりつつあるフィリピンの産業界を売り込む狙いだ。個別企業による協業、投資、技術交流なども後押しする。
視察団の派遣は、フィリピンが強みを発揮できる分野で製品力と技術力を飛躍的に高めるロードマップ(行程表)「生産・技術包括戦略」(PATHS)の一環。半導体組み立て・試験会社ファステック・アドバンスト・アセンブリー、電子機器受託製造サービス(EMS)のインテグレーテッド・マイクロエレクトロニクス(IMI)など業績拡大中の企業が参加し、現地でのセミナーや企業訪問を通じて、ビジネス拡大の糸口を探る。
貿易産業省は、シリコンバレーに本拠を置くスタートアップ企業との関係構築を目指している。スマート農業や再生可能エネルギー分野での国の研究開発に参画してもらうことが念頭にあるという。科学技術省はカリフォルニア大学バークレー校と会合。同校は研究活動を産業界の商品開発につなげる産学連携のベンチマーク的存在とされており、知見を政府の政策運営に生かしたい考えだ。
視察団の派遣と同時期に米ラスベガスで開催された、世界最大の家電・技術見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー」(CES)には、有力企業のトップなどが集まった。SEIPIのダニロ・ラチカ代表は「視察団の派遣は、フィリピンの産業界が新たな技術トレンドを吸収し、世界のさまざまな主要プレーヤーとの関係を築くきっかけになる」と述べた。