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【ベトナム】三井住友海上、エクシム銀と火災保険で協業[金融](2018/11/29)

三井住友海上ベトナム現地法人(以下MSIGV)は28日、ベトナム民間商業銀行のエクシムバンクと共同で開発した住宅火災保険プラットフォームのローンチイベントを実施した。これにより、従来の書類手続きが不要になり、申請から保険証券の発行までをオンラインで可能になる。エクシムバンクで住宅ローンを申請する顧客に向けて販売する。

MSIGVはエクシムバンクと共同で住宅火災保険のプラットフォームをローンチした。握手を交わすエクシムバンク守脇裕取締役(左)とMSIGV鈴東副社長(右)=28日、ホーチミン市

MSIGVはエクシムバンクと共同で住宅火災保険のプラットフォームをローンチした。握手を交わすエクシムバンク守脇裕取締役(左)とMSIGV鈴東副社長(右)=28日、ホーチミン市

MSIGVは2009年に現法としての営業を開始。来年10周年を迎える。同社はこれまで主に日系企業を中心とした企業向けに火災保険を販売していたが、今回のエクシムバンクとの共同事業により、当地での個人向けマーケットの開拓を進めていく。当面はエクシムバンクのアパート用住宅ローンと1年間の火災保険をセットで販売する。

共同開発した「住宅火災保険証券発行・管理システム」は2社間の専用システムとなる。顧客が住宅ローンを申し込む際に行員が入力するため、顧客の手間はかからない。保険証は電子証券として発行されるため、手続きが大幅に削減できる。

同社は既存のシステムにエクシムバンク側の要望を取り入れ、半年かけて専用プラットフォームを開発した。将来的には顧客データの活用も目指す。

■火災保険、これから

エクシムバンクの岡田賢治部長(リテールビジネス開発部)は「ベトナムでは保険に対する意識そのものや、加入率は非常に低い」と話す。一方で、急速な都市化が進むホーチミン市やハノイでは、アパートなどの火災が増えていることから、必要性は高いと説明した。

同行は今年、「保険」をローンと預金に次ぐ3つ目の柱とする中期計画を打ち出しており、昨今のオートメーション化のニーズとも合致。ただ、「顧客へ利便性を伝えるためには、まずは行員が当システムをしっかりと理解することが必要」(岡田氏)とし、行員への教育を強化する。

MSIGVの鈴東宏人副社長はあいさつで「火災などから大切な財産を守る保険の重要性を、ベトナムで広めていきたい」と意気込みを語った。同氏はベトナムの損害保険は「まだまだこれからの市場」としながらも、保険とITの融合でソリューションを提供していくと話した。

MSIGVは、ベトナムで日系初の100%出資の損害保険会社。エクシムバンクは08年に三井住友銀行が15%を出資し、筆頭株主となっている。

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