【フィリピン】改正会社法が下院通過、来年1月の施行目標[経済](2018/11/20)
フィリピンの下院はこのほど、改正会社法案を可決した。会社発起人の株式所有、払込資本金などの最低要件を撤廃して創業を促す一方で、株主による会計監査権などを拡大してコーポレートガバナンス(企業統治)を強化する内容だ。現行法で最長50年と規定される会社の存続期間は廃止し、永久に存続できるようにする。成立すれば、1980年に施行された現行法から38年ぶりの改正となる。来年1月の施行を目指す。
同法案(下院法案第8374号)は11月12日に下院の最終読会を全会一致(賛成165票)で通過した。下院の声明によれば、法案は会社の存続期間を永久にするほか、株主・社員が1人の一人会社の解禁、株主による会計監査の権利拡大、株主や取締役による会議や議決への遠隔参加権、フィリピン証券取引委員会(SEC)の監督権強化などが盛り込まれている。
法案の策定を主導したラムアルド議員(カミギン州選出)は、今月中に上院案とすり合わせた最終案を承認し、12月にドゥテルテ大統領の署名を経て、2019年1月に施行したい意向を示した。
19日付スター(電子版)によると、SECのエミリオ・アキノ委員長は「フィリピンのビジネス環境改善につながる」と同法案の下院通過を歓迎した。アキノ氏によると、会社の存続期間が永久になることで、50年ごとの定款改定が必要なくなり、業績不振企業にも再生の機会を与えることになる。また、一人会社が認められることで「単独株主がビジネスの意思決定をできるようになり、経営の柔軟性が高まる」という。アキノ氏は、同法案によって投資家保護も強まると指摘した。