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【シンガポール】日系バイオベンチャー、三井化学と事業化協力[化学](2018/10/30)

植物細胞培養や微生物を活用した栽培技術の事業化を目指す新会社2社を設立したちとせグループの藤田CEO(右から2人目)、三井化学の福田常務執行役員(左から2人目)と新会社の社長ら=29日、東京(NNA撮影)

植物細胞培養や微生物を活用した栽培技術の事業化を目指す新会社2社を設立したちとせグループの藤田CEO(右から2人目)、三井化学の福田常務執行役員(左から2人目)と新会社の社長ら=29日、東京(NNA撮影)

シンガポールに本社を置く日系バイオ技術ベンチャー、ちとせグループと三井化学は29日、植物細胞培養技術と微生物活躍型栽培技術の実用化をそれぞれ目指す新会社2社を川崎市の神奈川サイエンスパークに設立したと発表した。日本を含むアジアを中心とした地域での事業化を目指す。

新会社の1社「植物ルネサンス」は、植物細胞を培養して植物エキスや機能性成分を生産し、医薬品や化粧品、サプリメントの原料などに使うことを目指す。もう1社の「ティエラポニカ」は、肥沃(ひよく)でない土壌での作物の栽培を助けたり、野菜の味や香りを豊かにしたりできる技術を研究する。両社とも2021年3月までの事業化を目指す。

植物ルネサンスの資本金は700万円、ティエラポニカは900万円。ちとせが全額出資するが、両社の社長は三井化学が送り込む。シンガポールに持ち株会社を置くちとせは、社員約90人のうち大半が研究開発(R&D)職。うち70人以上が川崎市の拠点におり、新会社2社の技術の事業化を支援する。

ちとせは04年から事業を始め、R&D費用として14年間で70億円を投じてきた。藤田朋宏最高経営責任者(CEO)によると、バイオ技術を他社に提供、協業などした対価を収入とし、利益は積極的に研究へ再投資している。

三井化学の福田伸常務執行役員研究開発本部長は「素材産業はゼロを1にすることが必要」と述べ、社内に加えて、新会社を通じた技術革新を追求する考えを示した。

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